両陛下イギリス訪問へ 3代の天皇と英王室の深い交流【皇室a Moment】
思い出されるのは、幼い紀宮さま、黒田清子さんのかわいらしい様子です。皇太子時代の上皇ご夫妻は女王を東宮御所に招き、庭を案内されました。この時、清子さんは庭の花を摘み、膝を折る「カーテシー」というプロトコール通りの挨拶をして、女王に花を贈りました。 ――駆け寄って花をすっと渡される姿がかわいらしかったですね。 とてもいい場面ですね。 ――女王は1度だけの来日だったんですね。
■“アイドル”のような熱気 “ダイアナフィーバー”
はい。一方でチャールズ国王は皇太子として5回来日しています。 冒頭で紹介したダイアナ妃との来日では、大変な“ダイアナ・フィーバー”が起きました。夫妻は東京の青山1丁目から元赤坂の迎賓館までの2・3キロをオープンカーでパレードしました。沿道で9万2000人が歓迎し、大変な熱気に包まれました。 ――すごい熱狂ぶりですよね。まるでアイドルに手を振るかのように、皆さん本当に笑顔で手を振っていますね。 「キャーキャー」という声もすごいですね; ――すごいフィーバーを感じます。 本当にその通りです。これほどまで熱狂的に迎えられた外国の賓客は、後にも先にもいらっしゃらないんじゃないかと思います。
こちらはイギリス留学中、陛下がフィリップ殿下とスコットランドの野生保護区を訪ねられた時の映像です。陛下はイギリス王室の一員のように迎えられました。チャールズ・ダイアナ夫妻とは、オペラ鑑賞やバーベキュー、サケ釣りを一緒に楽しみ、帰国前にはお別れの夕食会も開いてもらっています。 陛下の著書『テムズとともに』という本には英語版もありますが、皇太子時代のチャールズ国王が一文を寄せていますし、次にご紹介する「阿波踊り」のシーンをみると仲の良さがうかがえます。 ――「阿波踊り」ですか?
■阿波踊り――チャールズ国王陛下の飛び入り
はい。こちらをご覧ください。なかなかの手つきですよね。 ――お上手ですよね。 2001(平成13)年5月、イギリスで開催された日本紹介のイベントです。お2人は名誉総裁として出席されました。参加者に声をかけているうちにお囃子が始まり、ウチワを渡されたチャールズ国王が飛び入りし、陛下も追うように踊り始められました。陛下がすぐ続いたところに、“お二人の近しさ”“友情”が伝わってきます。 ――これはかなり貴重な映像なのではないでしょうか?お二人とも楽しそうですね。