「熱男を演じきった」恥ずかしがり屋・松田宣浩さん…川崎宗則さんからの後継指名が転機
プロ野球の福岡ソフトバンクホークスと読売巨人軍で三塁手として活躍した松田宣浩さん(41)は計18年間で1832安打、301本塁打、991打点を記録した。マッチの愛称で親しまれ、「熱男(あつお)~!」と叫んで、チームやファン、野球界を盛り上げた。「熱男を演じきりました」。40歳で引退するまで、フルスイングした1922試合。信念を貫いた熱いプロの野球人、そのものだった。 【画像】真ん中に「熱男魂」と記した色紙
2006年に大学生・社会人ドラフト希望枠でソフトバンクに入団しました。6年目の11年に全試合出場を達成し、チームも日本一になりました。そのシーズンオフのことです。
米大リーグ挑戦を表明したムードメーカーの川崎宗則さん(43)に部屋に呼ばれ、「優勝できたけど、退団する。後は全部、マッチに任せた。以上」と、それだけを言われました。 この言葉で全て変わりました。
ベテランがチームを考え、若い選手は結果を追い求めることでチームの結果につながる。ホークスの伝統です。中堅でしたが、「チームの中心としてやる」。その心づもりで、とにかく元気を出してやると決めました。 もともと子どもの頃から根っからの恥ずかしがり屋。小学2年生で野球を始め、大学まで気持ちを前面に出してプレーする性格ではありませんでした。でも内に秘めた闘志や努力する自信、負けない気力、体力は、自分の中にありましたね。
盛り上げだけじゃダメ、結果も100%
川崎さんに後を指名され、翌年のシーズンに強い思いで臨み、明るく振る舞うことを意識しました。ヒーローインタビューのお立ち台で、川崎さんをまねして「1、2、3、マッチ!」って叫び、ファンも巻き込んでチームを盛り上げました。 15年のチームスローガンが「熱男」に決定。当時は選手会長で、チームやファンと共有し浸透させたかった。打者ですからホームランを打ってベンチに戻り、「熱男!」と拳を突き上げて叫ぶパフォーマンスを始めました。この年、キャリアハイの35本塁打を記録しました。