【日本文化の根本に流れる茶道とつながる萩焼】源泉湧き出す山口県長門湯本温泉で楽しむ伝統陶芸品
カフェのギャラリーで新たな展開
東京藝術大学で彫刻を学んだ坂倉さんは、基本は大事にしつつ、新たな展開もはじめています。その場の一つとなっているのが大谷さんなどと共につくった「cafe & pottery 音」というカフェです。ここは、地元の陶芸家たちのギャラリーにもなっていて、手頃な価格で萩焼を購入できます。 「私自身、現代に生きる人間として、その中での感覚、必要とされる器を作りたいという思いがあります。『音』はカフェなので、まずはコーヒーやケーキに使う器から作りました。萩焼を知らない人にも手にとって触れていただく場所になっていますし、私にとってもさまざまな試作をする場にもなっています」(坂倉さん) 「かつては、大型バスで来て、温泉に入って宴会をして翌朝帰るというパターンで、街歩きをしてもらうことはありませんでした。でも今は『音』があり、長門湯本温泉の変革を象徴する一つの〝場〟になりました」(大谷さん) 今は、川辺の歩道も整備され、そぞろ歩きを楽しむことができます。そんな時にふらっと立ち寄ることができるのが「音」なのです。「恩湯」や「音」を会場にして9月14日から、5つの窯元、8人の作家が出展する「うつわの秋」が開催されます。ぜひとも、長門湯本を訪ね、とっておきの萩焼を見つけてみてはいかがでしょうか。 cafe & pottery音 山口県長門市深川湯本1261-12 0837-25-4004
水代優