LVMHはプレミアムパートナーに。2024年パリ 五輪 で世界のオーディエンスを狙うブランド各社
開幕まで100日を切った2024年夏季オリンピック。全世界が注目するスポーツの祭典は7月26日から8月11日まで、フランスのパリで開催される。 データインテリジェンス専門のスミス・トラベルリサーチ(Smith Travel Research)によると、観戦チケットの需要は高く、年初の時点で700万枚以上が販売済みだという。パリ市内ではオリンピックの運営準備が進むなか、6月18日から開催されるファッションウィークへの対応もあいまって、状況は複雑だ。期間中に世界中から集まる観客やアスリートの関心を引こうと、ブランド各社はマーケティング戦略の遂行に余念がない。
世界各国の観戦者と繋がるチャンス
イタリア発のスニーカーブランド、P448は、パリのフォーブル・サントノーレ通り店のリース契約終了を機にオリンピックを意識した拠点づくりを進めてきたが、2023年、BMXとスケートボードの試合が実施されるコンコルド広場から徒歩1分のロワイヤル通り沿いにショールーム兼店舗を開設した。「BMXとスケートボードの出場選手の来店を見込んでいる。一般客やブランドアンバサダーにとっても魅力的な場所になるだろう」と、P448のCEOウェイン・カルキン氏は語る。 このショールーム兼店舗には選手の集合場所として使えるスペースが設けられているほか、TVモニターが設置され、さまざまな種目の試合を観戦できる。また、イベントやソーシャルメディアのコンテンツ制作にも利用可能な多目的スペースとなっている。P448はすでに、オリンピック出場権獲得が期待されるスケートボーダーのリアム・ペース、ヤム・ベハール、グレース・マーホファーといった選手とパートナー契約を結んでいる。同社は2023年、売上で前年比12%増を記録し、ヨーロッパとアジア市場進出が功を奏して、2024年は前年比25%増の売上を達成できる見込みだ。 ブランド各社は、大会をテレビで観戦する世界各国の視聴者との接点を求めて、それぞれ特別企画を打ち出している。2021年開催の東京オリンピック(Tokyo 2020)の期間中、視聴者数は全世界で30億人超に上ったが、パリ大会ではさらに多くの人々がテレビ観戦すると予想される。P448は、バルセロナ、ミラノ、ニューヨーク、マカオ、上海の店舗において、試合のライブ配信やテーマを設けたイベントを実施する予定だ。