「緊急事態宣言」3回の違いは? 「期間・地域・対策」を比較 【図解】
政府は新型コロナウイルス対策として、これまで3回にわたって特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を出してきた。同じ宣言でも、感染の状況などがそのときどきによって違うため、その度ごとに対象地域やとられた対策も異なる。発出後に地域が追加されたり、期間が延長されたりもした。3回の宣言はどのような状況で発出され、地域・期間、また講じられた主な対策は何だったのか。改めて振り返ってみたい。 [図表]「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」の違い
【1回目】2020年4月7日~5月25日
国内で初めて感染者が確認されたのは2020年1月16日。2月には初の死者が出た。その後、3月以降に感染が拡大。いわゆる「第1波」が起きた。 その中、4月7日に安倍晋三首相(当時)は記者会見し、東京、大阪、福岡など7都府県を対象に新型コロナウイルス対策として初めての宣言発出を発表。安倍前首相は会見で、「専門家の試算では私たち全員が努力を重ね、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減することができれば2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができる」と語った。期間は当初、「1か月」とされた。 対象区域は一時全国に拡大し、期間も延長された。解除は段階的に行われ、5月25日に全ての都道府県で解除された。対策としては、飲食店、スポーツジム、ライブハウスなど幅広い業種が休業要請の対象となった。
【2回目】21年1月8日~3月21日
2回目の緊急事態宣言が出されたのは21年1月8日。菅義偉(よしひで)政権の下でのこと。東京都で20年12月31日、新規感染者が初めて1000人を超える1337人となるなど、年末年始に首都圏で感染が急拡大し、東京、神奈川、千葉、埼玉を含む1都3県を対象に発出された。 菅首相は会見で「1年近く(コロナ)対策に取り組む中で学んできた経験を基に、徹底した対策を行う」などと発言。「飲食による感染リスク」を抑える必要があるとし、飲食店に対して午後8時までの営業時間の短縮を要請した。「テレワークによる出勤者数7割減」を求めたのもこのときだ。当初の期間は1回目と同じく「1か月」。 対象地域は、その後、大阪、愛知、福岡などが追加され、もっとも多いときには11都府県が宣言下に入った。期間は2度に渡って延長され、最後まで残った首都圏の1都3県が解除されたのは3月21日。