1歳から受験準備?インターナショナルスクール開校ラッシュ 年間授業料200万円超でもわが子を入れたい理由
近年、インターナショナルスクールへの入学希望者が増えているようだ。少子化で閉校する小学校があっても、インター校は次から次へと開校している。教育関係者が「日本のすべての学校がインター校になる未来」を予想するほどの人気の理由とは。現場を取材した。 【写真】人形に銃を持たせ…女子児童が作るジオラマのテーマは? * * * 幼稚園から高校までの一貫校「アオバジャパン・インターナショナルスクール」光が丘キャンパス(東京都練馬区)を訪れた。児童約360人が通う小学部の教室を回ると、授業中にもかかわらず、休み時間かと思うほど元気な声が飛び交っていることにまず驚く。 日本の小学校では、先生が黒板の前に立ち、児童がみな前を向いて机に向かう姿が一般的だ。だが同校では、子どもたちが3~5人程度のグループに分かれて机を寄せ合い、先生が順番に回っては声をかけるスタイルの授業が目立つ。 とりわけ印象的なのが、どの教室に入っても、何の科目の授業をしているのか見当がつかないことだ。 クラスメートと相談しながらノートパソコンで資料を作っていた4年生の女子児童に、何をしているのか聞いてみると、 「パパとママにこのセメスター(学期)中に何をやったか見せるために、アクティビティ(活動内容)をまとめてる」 と返ってきた。同校では“Three-way conferenece”と呼ばれる、日本でいう三者面談のような会が定期的に開かれ、児童は保護者と先生の前で、授業を通して学んだことをプレゼンテーションするのだという。
■ほとんどの授業は「教科横断型」 また、3年生のクラスでは、子どもたちが段ボール箱の中に画用紙を敷いたり、切り抜いた絵を貼りつけたりしていた。図工の授業かと思いきや、一心不乱に画用紙にのりを塗っていた女子児童によると、「いろんなダメなことをしている人を作ってる」とのこと。 どうやら、世界で起きている環境問題をテーマにジオラマを作っているようだ。「これはoverfishing、魚の釣りすぎ」「これは人間がプラスチックを1回しか使わないで捨ててるとこ」“Someone is killing animals like tigers, for their fur(毛皮をとるためにトラなどの動物を殺す人もいるんだよ)”などと、口々に教えてくれる子どもたち。教室の壁には、環境問題について事前に調べてまとめたポスターが、ずらりと掲示されていた。 同校では、一体どのようなカリキュラムで授業が進められているのか。小学部の授業コーディネーターを務めるチン・カレンさんは、こう説明する。 「日本の従来の教育は、科目ごとの知識を身につけることを重視します。一方、アオバの教育がもっとも大切にしているのは、知識の応用。英語の読み書きや算数の基礎知識を学ぶ授業もありますが、ほとんどの授業は『探究』と呼ばれる教科横断型の授業です。“How we express ourselves(意志表現)”“Sharing the planet(共存共生)”といった6つのテーマに沿って、さまざまな知識やスキルを総動員して課題に取り組みます」 カリキュラムは、日本のインター校ではメジャーな「国際バカロレア(IB)」という世界共通の教育プログラムにのっとっている。なかでも同校が特に力を入れているのが、グループワークだという。