1歳から受験準備?インターナショナルスクール開校ラッシュ 年間授業料200万円超でもわが子を入れたい理由
■インター校人気の裏に、日本への危機感 面接では、保護者も志望理由や教育方針、学校に貢献する姿勢などを英語で説明しなければならないため、EGCISでは親向けの対策プログラムも用意しているという。 インター校受験は、5歳で幼稚園にあたるプリスクールに入学し、そのまま付属の小学校へと進むのが一般的だ。学年が上がるほど入学難易度は上がるため、もし失敗した場合は翌年再チャレンジし、日本の小学校から転入するケースも珍しくない。なかには、3歳でのプリスクール入学を目指して1歳のころから受験準備を始める家庭もあるという。 斎藤さんは、「『この先日本にいても稼げない』という危機感が漂うなか、海外でのキャリア形成につなげやすいインター校のニーズが衰えることはないだろう」とみる。 そうした傾向を受けてか、インター校の開校ラッシュが止まらない。22年8月開校の「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」(岩手県)、25年9月開校予定の「ノースロンドンカレッジスクール神戸校」(兵庫県)など、動きは全国に広がっている。 「中高一貫校の広尾学園や帝京が、インター校と同様の教育が受けられるインターナショナルコースを設けるなど、日本の学校にも影響が出てきている。30年後には、日本のすべての学校がインター校になっていてもおかしくないと思います」 インター校人気は、自国への失望の裏返しなのか――。授業見学で出会った子どもたちの弾ける笑顔を思い返すと、なんとも複雑な気持ちになった。 (AERA dot.編集部・大谷百合絵)
大谷百合絵