「冬に感染が拡大する傾向」 新型コロナワクチン定期接種が10月開始 自治体によって「自己負担の軽減」追加策も
新型コロナウイルスは2023年に5類へ移行し、ワクチンの全額公費による特例臨時接種は2024年3月末に終了しました。ただ、新たな変異株による陽性者の増加など、脅威が完全に去ったわけではありません。10月からは重症化予防を目的に、高齢者を対象に年1回の定期接種を開始。そのほか自己負担でのワクチン接種を検討する人もいます。これから冬に向け、改めて注意したい新型コロナウイルスについて東京都保健医療局にお話を伺いました。 【画像】新型コロナワクチン定期接種に関する情報 厚生労働省による実際の投稿 ◇ ◇ ◇
「新型コロナウイルス感染症は、夏と冬に感染が拡大する傾向」
急激な気温の変化など、季節の変わり目は体調を崩しやすい時期です。免疫力も低下しやすくなる可能性があり、感染症への警戒感を強めている人も多いでしょう。とくに新型コロナウイルスは、重症化した場合は回復するまでに時間がかかることがあるほか、軽症でも後遺症の懸念などがあります。 東京都保健医療局(以下、都)では、新型コロナウイルスが5類に移行してからも、週に1度「東京都新型コロナウイルス感染症情報」を更新。最新の集計結果を基に、感染者数の推移をウェブサイトで公表しています。 「東京都内の定点医療機関(※)あたりの新型コロナウイルス感染症の患者報告数は第42週(10月14日~20日)で1.30人/定点となっており、6週間連続で減少。また、各年代別に見ても80代以上を除き、患者報告数は減少傾向にあります。しかし、新型コロナウイルス感染症は、夏と冬に感染が拡大する傾向にあるため、これから増加する可能性が高いです。そのため、とくに重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患のある方などは注意が必要です」 感染が拡大傾向にある冬を迎える前に、基本的な感染症対策に加え、検討したいのはワクチン接種です。厚生労働省や都では、10月1日から対象となる人へ、新型コロナワクチンの定期接種を呼びかけています。
定期接種の対象者であれば費用が半額以下に
厚生労働省のリーフレットによると、定期接種の対象となるのは「65歳以上」のほか、60~64歳で「心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害があり身の周りの生活を極度に制限される方」「ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害があり日常生活がほとんど不可能な方」となっています。 また、定期接種は年1回。今回は原則、10月1日の開始から来年3月31日までの期間です。費用については、定期接種の場合、国からの助成により自己負担額は7000円ほど。対象者以外の人が全額自己負担で新型コロナワクチンの接種をする場合は、約1万5000円前後といわれており、対象者は半額以下で受けられます。さらに、費用助成を独自に行っている自治体もあるとのこと。 「都では高齢者などが接種しやすいよう、今年度は、自己負担の軽減を図っています。具体的には、自己負担額をインフルエンザワクチンの定期接種と同程度の2500円以下にする区市町村に対し、都が1000円を補助することとしています」 こうした取り組みは自治体によって異なるため、「接種開始時期や接種場所、費用などの詳細は、お住まいの区市町村にお問い合わせください」と都は説明しました。 家族に対象者がいる場合は、接種できる医療機関の確認や手続きなどのサポートがいるケースもあります。これまでの接種予約をスムーズにできなかった場合、声をかける必要があるかもしれません。