「パタゴニア プロビジョンズ」のアンチョビに新テイスト。イワシを食べるのが環境にも人にもいいワケ
パタゴニアの食品部門「パタゴニア プロビジョンズ」より発売されている「ホワイト・アンチョビ」シリーズに新たなテイストが加わった。 「ホワイト・アンチョビ スパイシー」である。 「ホワイト・アンチョビ」シリーズはすでに「レモンオリーブ」や「ローストガーリック」が販売されているが、アンチョビの原材料であるイワシを食べることには環境にとっても実は大きな意味があるのだ。 そんなイワシをテーマとしたフードイベント「THE BLUE DINING」が、海と魚を学ぶ食のコミュニティ団体「一般社団法人Chefs for the Blue(以下C-Blue)」とパタゴニアのコラボで先日開催された。
なぜイワシを食べるのがいろいろと“良い”のか
C-Blue代表の佐々木ひろこさん、パタゴニア食品事業部の近藤勝宏さん、シェフの平 雅一さんによるトークセッションでは「なぜイワシを食べることが重要なのか?」を軸に展開された。 「カタクチイワシとマイワシは特徴的で、一方の量が増えると一方が減るというのを繰り返している魚なんです。このイワシ、小さい魚をもっと食べようというのが今回の主旨です。 なぜかというと、まず絶対的に個体数が多いから。大きな生態系の中で見たとき、イワシは海洋の食物連鎖の一番下にいる魚なのです。なので、国民の食用として十分安定的に配給できるんです」。
そう語るのはC-Blueの代表でフードジャーナリストでもある佐々木さんだ。 ちなみに、カタクチイワシはアンチョビや煮干し、しらすなどに使われている小ぶりなイワシのこと。対してオイルサーディンや煮付け、蒲焼などの料理に使われるのがマイワシである。 栄養価も高く、日本の食文化にも馴染み深いイワシだが、近年消費量が落ちていることを佐々木さんは危惧している。 「マグロやカジキのような大型魚は成長するまでに時間もかかるし、大量の餌(魚)が必要になります。日本では資源管理があまりされておらず、個体数が大幅に減ってしまい、クロマグロは絶滅危惧種になりました。 一方、日本におけるマイワシの漁獲量は2022年で56万トンほど。80年代の1/4くらいの量になっていますが、このうち人間が食べる量は25%ほどで、あとの7割以上は養殖の餌や農業の肥料になっているんです」。