50代、更年期とそれ以降を健康に過ごすには?堀井美香さんと上田淳子さんが、高尾美穂さんに聞いた。
鈍感すぎても困りもの。体の声に耳を傾けて。
上田 いままで守ってくれていたエストロゲンがなくなるって大変なことなんですね。女の50代はキツいです。 高尾 でもね、男性はそもそも少なく、女性だけが約40年間あるものでしょう。そう考えると、その40年が特別なボーナスステージみたいなもので、閉経後は通常モードに戻っただけともいえるわけですよ。 堀井 ボーナスステージだって気づいていませんでした……。私は気持ちが沈みがちになると言いましたが、更年期の症状がほとんどない人もいるみたいで、うらやましいです。 高尾 そういう人も更年期を過ごしているのは同じなので、私が思うに、鈍感なのかな? と。ある意味ではいいことかもしれませんが、体の変化に気づかずにいると、骨折、心筋梗塞といった大きなことに繋がるおそれもあるのでむしろ心配です。不調は体のサインですからスルーしないほうがいい。「どうも調子が悪いな」と自分で認めて、いたわってあげたいですね。 上田 よく、かかりつけ医を持っておくといいって聞きますけど、私くらいの年代でも婦人科に行っていいんですか? なんとなく不調で内科にかかっても「なにしに来たの」と言われそうだし、そこがいちばんの悩みでした。
高尾 ちょっと調子が悪いときに相談できるところがあるといいですよ。あとは健康診断で異常があって、経過を定期的に見ていくとか。それが何科なのかっていう問題ですが、まずは、婦人科を相談先にするといいと思います。ホルモン補充療法などを提案できるのも婦人科です。 上田 がまんせずに、対策できると知ることが大事ですね。 高尾 情報を早く知っておくのに越したことはないです。知っていれば選ぶことができる。それがこの時代に生きているメリットでもありますから。
堀井 私もエクオールという選択肢を知って、試してみてよかったです。運動も始めてみようと思って、友人にヨガに連れていってもらったけど無理でした。運動が本当に苦手なんです。高尾先生はヨガをしたり、ジムにも通っているんですよね。 高尾 たしかに運動はとっても大事。更年期に出やすい症状を多いものから順に並べたとき、上位ほぼ全部を運動で解決できるんです。肩こり、腰痛、不眠など。汗や火照り対策としても、有酸素運動をするとふだんは汗をかきにくくなります。運動する人のほうがうつになりにくいし、運動量を増やすことで改善できるというデータもあります。とはいえ、この歳になってから運動を始めるのって大変ですから、歩くだけでもいいんですよ。 堀井 あ、私、すごくよく歩きます。仕事場から次の仕事先まで30分くらい歩いたり、なにか覚えるものがあるときは近所をぐるぐる歩きながら記憶したり。あまり歩けない日が続くと、なんだか調子が悪いなと感じます。