「リーダーはいない」 SNSチーム運営した男性が語る兵庫知事選
11月に実施された兵庫県知事選は県議会の不信任決議を受けて失職した斎藤元彦氏が返り咲く異例の展開をたどった。選挙戦ではSNS(ネット交流サービス)を通じて拡散された支持が政党の後ろ盾を失った逆風を吹き飛ばした。その推進力となったのはSNS上で結成された応援団「チームさいとう」だった。 【図解】チームさいとうのSNS戦略 開設したLINE(ライン)アカウントには約3000人が登録。そのうち約500人が「街頭ボランティア」となり、街頭活動に駆けつけ、聴衆の誘導をするなど政党支援のない陣営をサポートした。さらに現地で撮影した映像や写真をライン上でやりとりできるオープンチャットで共有。約400人の「デジタルボランティア」がその素材を使って演説の様子や政策を紹介する動画や画像を作成し、各自のX(ツイッター)や画像共有アプリ「インスタグラム」、動画投稿アプリ「TikTok」などのアカウントで拡散させた。 チームさいとうの運営に携わった男性は毎日新聞の取材にチーム結成の経緯や仕組みを詳細に語り、「この選挙でリーダーはいない。各自が同じ方向を見ていただけ」と新時代の選挙手法を解説した。【変容SNS選挙取材班】