どうなる波乱の箱根駅伝?!往路サプライズVの創価大が逃げ切れるのか…大逆転の可能性があるのはどこか?
青学大が5区神野大地でトップに立った91回大会(15年)や日体大が強風の往路を制した89回大会(13年)のように、往路で“サプライズV”を果たしたダークホースがそのまま逃げ切った例は少なくない。 トップを走る大学は無理にペースを上げる必要がないため、失敗が少なくなる。それどころか、先頭を常時撮影している1号車(トラック)が「風よけ」になるというアドバンテージもあるからだ。しかも今回は2位以下に2分14秒以上の大差がついており、選手たちはある程度、伸び伸びと走ることができるだろう。榎木監督が目指すような「100%の力を出し切るレース」をされたら、後続の大学が近づくのは簡単ではないだろう。 では“大逆転”を狙い追いかける大学はどうか。。 連覇を目指していた青学大はトップと7分35秒差の12位。これは絶望的な差と言っていい。原監督も「ゲームオーバー」と表現した。それでも「優勝を目指すというと嘘になりますので、確実にシード権を取りにいきたいと思います。ただプライドは忘れることなく、攻めのレースをして、自分たちの能力を100%発揮できるレースプランで各区間走ってもらいたいと思います」とシード権確保と“青学大らしいレース運び”に目標を切り替えている。 2年ぶりの王座奪還を狙っていた東海大もトップと3分27秒差の5位。かなり難しいタイム差だ。両角速駅伝監督も、「総合優勝するには往路で勝って、その流れでうまくつないでいくしかないと思っていました。ただ、レースは何が起こるか分からないので……」と“自力V”は厳しいことを承知しつつも、まだ総合優勝をあきらめてはいない。 大逆転のチャンスがあるとすれば、往路2~4位に入った東洋大、駒大、帝京大の3校だろう。トップ創価大との差は東洋大が2分14秒、駒大が2分21秒、帝京大が2分31秒。タイム差だけでいうと厳しいラインだが、3校が僅差にいるのが救いかもしれない。単独ではなく、他校と競り合いながら追いかけることができるからだ。 東洋大・酒井俊幸監督は、「まだまだチャンスはあると感じています」と言い切った。箱根駅伝1区で2度の区間賞を獲得して今季10000mで28分03秒94をマークしている西山和弥(4年)を補欠に残しているのが大きい。不安のある6区でリードを広げられなければ、エース西山が入る平地区間で一気に近づける可能性がある。その差が1分を切ってくると、追われる側の余裕がなくなり、逆転の目が出てくる。