【中食市場2021】10年連続成長もコロナ禍で購買行動が一変 日持ちする惣菜に需要がシフト
惣菜は、日持ちの短い即食型という性格上、新型コロナウイルス拡大の影響を最も大きく受けた食品と言える。コロナ禍以前は、生鮮3品が比較的ダウントレンドにある中で、惣菜は上昇トレンドで推移していた。ところが、新型コロナを契機にこの構図が一気に逆転。外出自粛に伴う家庭調理向け生鮮3品の需要が惣菜を上回る現象に転じた。ただ、緊急事態宣言が発令された昨年4月を底として夏からは徐々に回復。一部小売では前年を大きく上回る売上げにまで戻ってきているところもある。しかし、消費者の購買行動は一変。これに伴って売り方も従来のばら販売からパック販売にシフトするなど変化を余儀なくされている。また、テレワークをはじめ働き方も変化してきたことから、従来の夕食需要に加えて昼食需要が盛り上がりを見せつつある。新型コロナで消費者の収入が減ったことで、今後はより安価な惣菜を求めていく傾向が強まるとともに、巣ごもりが長期化すれば家でぜいたくを味わう高級志向も一部に見られ、中食は価格の二極化時代に突入していくことになりそうだ。
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日本食糧新聞社