オフィス街で人気、レーズンどっさりパン オ レザン アマン東京で秘密の朝食スポット発見
■レーズン、小麦…吟味した材料が生むハーモニー
ラ・パティスリーのパン オ レザンは一段と香りが高く、レーズンがどっさり。サクサクしたクロワッサン生地が緻密に重なり、クリームは濃厚な甘さです。 「パン オ レザンは一般的にはカスタードクリームだけ使うのですが、うちでは同量のアーモンドクリームも加えて巻き込んでいます。レーズンは有機レーズンを使い、ラム酒などの香り付けは一切せず、レーズンの味そのものが生きるようにしています」 材料のこだわりはそれだけではありません。クリームに入れる卵は有精卵で濃厚さを重視。小麦粉は北海道産のオーガニック粉をシェフが吟味し、ブレンドして使っています。「私もシェフとともに北海道の農家さんを訪れ、畑や製粉の工程などを見せていただきました。うちのパンはオーガニックにこだわった材料を使っているんです」 村山さんが一つ一つていねいに作り上げるパン オ レザンの工程を解説してくれました。「生地には発酵バターを折り込むのですが、食感が歯切れ良く、ぱりぱりサクサクとなるように、折り込む回数を多くしています」。 広げた生地にクリームをたっぷりと塗り、レーズンとともに巻き込みます。ちょうど巻きずしのようになった生地をカットし、セルクルという丸い焼き型に入れていきます。「端っこをちょっと下に巻き込みます。こうすると、平べったくならず、膨らみのきれいな渦巻きになるのです」 渦を巻きながらコロンと焼き上がるパン オ レザンからはリッチな香りが漂ってきます。「ここのお客様はオフィス街の方がほとんど。大きすぎず、それでいて軽食としても満足できるボリュームを目指しています」 常温で食べるとバターの風味がくっきりと立ち上がります。「小麦の風味が好きな方はちょっと温めてください」と村山さん。ブドウつながりということで、ワインとの相性もいいみたいです。 文:THE NIKKEI MAGAZINE 編集長 松本和佳 ※この記事は「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事を再構成して配信しています。