大学入試「志望校を下げないで」河合塾主席研究員が志望動向を分析 女子に“チャレンジ志向”強まる
本当の「滑り止め」とは
――これからの時期、受験生や保護者にアドバイスを。 総合型選抜や推薦は終わり、これから一般入試に向けた仕上げの時期です。 みなさんに強く言いたいのは、この時期に志望校を下げないでほしいということです。下げるのは願書を出す時で十分。「勉強が進んでいない」「模試の成績が悪かった」と早くから志望校を下げてしまうと、坂道を転がるように勉強に身が入らなくなります。 志望校を下げてしまうと、合格しても必ず後悔するでしょう。 河合塾で学ぶ浪人生のうち3割は、どこかの大学に合格していながら入学しませんでした。受験をするのは合格するためではなく、入学するためです。万が一浪人するにしても、第1志望にチャレンジして浪人した方がいいですし、第2、第3志望は入学したい大学を選びましょう。それこそが本当の「滑り止め」です。保護者とよく話し合ってください。 保護者には、これまでと同じ態度で受験生に接してほしいと思います。これまで放任主義だったのに、急に成績や志望校についていろいろ言うのはよくありません。逆に、これまで細かく口を出していたのに、急に何も言わなくなったり、「全部任せる」などと言い出したりするのもどうでしょう。スタンスを変えない方が、受験生は安心すると思います。 あとはやはり体調を整えることです。今まであまり勉強していなかった生徒も夜遅くまでがんばるようになります。そこを少しセーブしたり、食事に気を配ったりしてやってください。 春に受験生の皆さんが第1志望校に入学されていることを願っています。