TikTok Shopでの「最初の30日間は気を引き締めて」。バグが多く不透明なプラットフォームに対するブランドの声
TikTokでバイラルになった美容ブランドのエクスペリメント(Experiment)の創業者であるリサ・ゲレラ氏は、米国版のTikTok Shopに加盟する前にTikTok Shopのベテランセラーにアドバイスを求めた。彼女の問いは、TikTok Shopを持つ価値はあったか? というものだった。 電話インタビューでゲレラ氏は、「『最初の30日間は気を引き締めろ』と言われた」と、売り手がTikTok Shopでしばしば遭遇する無数のパフォーマンスバグや混乱について言及した。売り手からは、製品を誤って削除するAIから、不具合の多いプラットフォーム統合にいたるまで、数多な問題を経験したことを聞かされたという。 それから3カ月を経て、ゲレラ氏はオンボーディングプロセスについて「問題が多い」と表現したものの、これまでのところTikTok Shopにはそれだけの価値があることを認めている。しかし、このプラットフォームのバグは彼女にとってはできれば避けたい頭痛の種である。 ゲレラ氏の経験は、TikTok Shopの米国での運用が開始されて8カ月経った今でも、このプラットフォーム上には依然として数多な問題があることを示唆している。
プラットフォーム成長に伴う痛み
米モダンリテールが話を聞いたブランドやエージェンシーは、昨年9月のTikTok Shopの立ち上げ以来、プラットフォーム体験は著しく向上していると総じて述べている。多くの人からは、ゲレラ氏と同様、プラットフォームの成長に伴う痛みはTikTok Shopのような初期のマーケットプレイスでビジネスを行うための単なるコストだと考えているという声が聞かれた。言い換えれば、TikTokにより最終的には微調整されることを期待しつつ、それが実現するまで、TikTok Shopの50万の加盟店はただ耐えて待っているだけということなのである。 一方、TikTokは時間との闘いにも直面している。バイデン大統領がTikTokの中国の親会社バイトダンス(ByteDance)に対して1年以内にTikTokの株式を売却するか、でなければ米国での禁止措置を義務付ける法案に署名したからである。中国政府がユーザーデータにアクセスできるのではという懸念から、TikTokは厳しい監視の対象となっている。TikTokはこの法律は違憲だとして提訴している。 TikTokはコメントの要請に応じなかった。