北海道の感染拡大「寒さより、人が要因」 Go To除外検討は“まだ”―コロナ分科会
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長(地域医療機能推進機構理事長)は9日、記者会見で、北海道で感染者が増加していることについて「感染の状況というところでは少し(分科会が提唱する)ステージ3になりつつある、あるいはなっているところがあるけれども、病床の方の指標は大変でしょうがまだステージ3になっているところではない」と説明した。
分科会は「ある都道府県がステージ3相当と判断された場合には感染リスクを総合的に考慮して当該都道府県を除外することも検討していただきたい」(9月11日)と提言していた。尾身会長は「Go Toは社会経済が戻る中のほんの一部。Go Toだけを取り上げてもしょうがない」として、北海道における「Go Toトラベル」キャンペーンの継続可否については触れなかった。 なぜ感染者数が増えているのかについては、「寒さだけでこう(増加に)なっている訳ではなくて、気候の条件よりも人間のファクター(要因)の方が多いのではないかというのが我々の判断。色んなところでクラスターが起きてしまっているのでそれを早く見つけて、起きた場合には早くやればこういうふうに(感染が急拡大に)なるのは回避できる」とも語った。
拡大抑えるなら「いま」
会見には分科会メンバーの国立感染症研究所の脇田隆字所長も同席。「なぜ北海道で急速に感染が広がったのか?」との記者の質問に対し、「札幌が中心になっている。札幌の中でもやはりすすきのを中心とした繁華街での感染が続いている」と指摘した。 脇田所長は「1つには、接待を伴う飲食店もあるし、いまはそれだけでなく、一般の会食の場でも、どうしても元の生活のようにマスクを外して、お酒を飲んで食事を楽しみたいという気持ちが強くなっている。そういった場面が多くなってきていて、クラスターが発生している」「いま抑えるのが重要。すすきの地区で集中的な検査をやるとか。北海道の知事は少し地域を絞って時短営業のお願いをすると(話している)。それが効果的に働けば今の感染拡大がある程度抑えられてくるだろう」と述べた。