「つらいことは、いつか幸せに変わります」――休養を経て鈴木奈々が語る、心への寄り添い方 #今つらいあなたへ
加藤茶からの「変わらなくていいよ」 後輩に対して焦りなくなった今
助けを求めて、大親友の加藤綾菜に会った。 「おうちに遊びにいくと、必ず(夫の)加藤茶さんも一緒になって相談に乗ってくれるんです。茶さんは、『自分が壊れる前に、今すぐ休みな。我慢しなくていいんだよ』と寄り添ってくれました。戻る席があるのか考えたら、“休み”は恐怖でしかなかった。でも休んでもいいんだ、“いつでも明るい私”じゃなくていいんだって思えたら、すごく楽になれたんです」 「私、このままの仕事のスタイルでいいのかな?」と加藤茶に悩みも打ち明けた。 「茶さんは、『奈々ちゃん、自分に飽きちゃだめだよ』って言ったんです。変わらなくていいよって。何十年もおなじみの芸で愛されてきた茶さんの言葉は、重みが違いましたね」 出川哲朗も「俺もずっと変わってないでしょう」と励ましてくれた。「自分を貫けば、絶対(番組の)スタッフさんたちも見ていてくれるから」と。
「私、休養中にお笑い番組を見てめっちゃ笑ったんですよ。やばい、笑うってこんなにメンタルが元気になるの?と驚きでした。だから私はこれからも今まで通り、バラエティー番組で体を張って、見ている人を全力で元気にしていきたいって思ったんです」 新しい後輩がどんどん出てくることについては。 「昔だったら、人と比べてしまったり、『このままじゃだめだな』とか思ったりしてましたけど、今は自分らしくいこうっていう感じに変わったなって。だから後輩に対しても焦りはないですね」 仕事に対して、もう迷いはなくなった。
「心の痛みを根っこから理解できるようになった」
芸能界でもメンタルヘルスに不調を抱える人は少なくない、と鈴木は言う。ネットで批判的なコメントを嫌でも読めてしまう現代はなおさらだ。 「離婚を発表したときは、ネットの書き込みを見るのがすごく怖かった。でも、ふたを開けてみると応援コメントも多くて。そんなケースもあるから、私はどうしてもエゴサーチをやめられないのかも。中傷コメントも目にするけど、最後は必ず好意的なコメントを読んで終わるようにして、自分を守ってます。 だけど、深く傷ついてしまうタレントさんもやっぱり多いですよね。心が不調でもほとんどの方が、それを隠して仕事を続けている印象です」 鈴木は、休養時の経験をできるだけオープンに話していこうと考えている。 「『しんどいのは、アナタだけじゃないよ』って伝えたいんですよ。復帰後に『実は私も(心が)病んでいて……』とそっと打ち明けてくれる方が増えたこともあって」 「私はずっと、人の心の痛みを分かっているようで、分かっていなかったんだと思います。心の痛みを根っこから理解できるようになったという意味では、逆に休養してよかったです。つらい経験って無駄じゃないんです」 後輩や友人から相談を受けるときは、絶対に相手を否定しないのがポリシーだ。その人の問題点に気づいても、まずは気持ちに共感する。その後にアドバイスを挟んで、最後も共感で終わる「サンドイッチ方式のコミュニケーション」を心がけている。 「つらいことって、絶対ずっとは続かない。季節が変わるように、いつか幸せに変わりますよって、伝えたいです」