【分析】最新ステルス機に“ドローン母船”空に海に軍備増強する中国【日曜安全保障】
FNNプライムオンライン
空と海の軍備を増強し、次々に披露する中国。 2025年、東アジアそして日本の安全保障はどうなるのかを映像から検証します。 昨年末、中国の空に現れた黒い機体。 垂直尾翼も水平尾翼もなく、主翼があるだけの三角定規のような形をした軍用機です。 一緒に飛んでいた中国軍の大型ステルス戦闘機「J-20S」を上回る大きさで、機体に書かれた数字から名称は「J-36」と推定されます。 フジテレビ・能勢伸之特別解説委員: 「J-36」は尾翼がないため、ステルス性能が高くジェットエンジンが3基もあるので、高速性能も追求しているのでしょう。中国では去年、アメリカ軍や自衛隊の「F-35」ステルス戦闘機同様に、第5世代機とされるステルス戦闘機「J-35」を初公開したばかりですが、今回は西側に先んじて、より高性能な第6世代機「J-36」の試験飛行を開始したということになり、もしその胴体に射程の長いミサイルを搭載できるなら、東アジア・西太平洋の安全保障の根幹が揺らぐかもしれません。 また、中国は海でも最新鋭の装備を固めつつある様子が見て取れます。 中国の造船所を撮影した衛星画像には、世界初のドローン専用母船とおぼしき艦船の姿がありました。 さらに、リニアモーターカーの原理を応用し、次々に航空機を打ち出せる電磁カタパルト。 西側では、まだアメリカ海軍の空母1隻にしか搭載されていませんが、中国海軍では、空母のみならず最新かつ最大とされる揚陸艦076型「四川」の甲板に装備されます。 中国は、揚陸艦からも無人機や軍用機を運用するのかもしれません。 フジテレビ・能勢伸之特別解説委員: そして、高速ステルス無人戦闘艇「虎鯨(こげい)」です。小ぶりな無人艇ながら任務に応じ、空や海からの攻撃を防御。陸上への打撃能力と多彩な能力を備え、後部には無人ヘリ用の甲板も持ち合わせています。中国は従来の海軍の常識を破って、無人戦闘艇で艦隊を作り、味方の上陸戦を支援する能力を構築するならば、台湾や南シナ海諸国には脅威と映りそうです。 2024年12月31日には、習近平国家主席が台湾海峡について「(台湾海峡の)両岸は一つの家族であり、誰も祖国統一の流れを止められない」と発言しました。 アメリカでは、2025年1月20日にトランプ大統領が誕生します。 タッグを組む副大統領には、「中国こそがアメリカにとって最大の脅威」と主張するバンス上院議員が就任します。 アメリカ第一主義を掲げるトランプ政権は、中国や日本など東アジアの各国とどんな関係を築くのか。 2025年の東アジアの動向は、ますます見逃せないことになりそうです。