お金をかけるほどいい? どのくらいの頻度で受ける? 人間ドックの最適解(専門家が監修)
時間的にも金銭的にも負担がかかる人間ドック。40過ぎたしと、なんとなく受けるのは実にもったいない。適正な受け方を知り、さらにピンポイントで気になることを検査して、自分のカラダと正直に向き合おう。
教えてくれた人:森勇磨さん
もり・ゆうま/医師、ウチカラクリニック代表。大学病院の救急総合内科を経て独立、オンライン診療クリニック「ウチカラクリニック」を展開し、予防医学の普及に努める。著書に『人間ドックの作法』(中央公論新社)、『認知症は予防が9割』(マガジンハウス)などがある。
Q. 必要最低限、受けた方がいい検査は?
A. 一般的な健康診断+がん検査 人間ドックとは会社や自治体で行われている保険の利く健康診断とは異なり、自分の意思で受診を選択する自由診療。幅広い検査項目を自らチョイスできるので、将来の病気を予防するための強力な武器となる。 「とはいえ、人間ドックの検査項目は玉石混淆」と言うのは、予防医学の専門家、森勇磨さん。 「過剰な検査が行われ、余分な費用負担が生じる人間ドックがあることも事実です。必要最低限の人間ドックの検査項目は、血液検査、レントゲン検査、尿検査といった一般的な健康診断にがん検診をプラスしたものと考えてください」 下のリストでいうと、胃カメラ、腹部エコー、便潜血検査ががん検診。ビギナーはまずここから。 ・血圧測定 ・身長・体重測定 ・採血検査 ・聴力検査 ・視力検査 ・眼圧・眼底検査 ・心電図検査 ・肺機能検査 ・胃カメラ検査 ・腹部エコー検査 ・便潜血検査
Q. かかる費用は高いほどいい?
A. 3~5万円で十分 人間ドックは自由診療だけに費用もピンキリ。人間ドックと高級ホテルの宿泊がセットになったウン十万円するプランも決して珍しくない。 「経済的に余裕がある人が年齢を重ねていくと、健康の優先順位が上がっていくのでそこに投資をしたくなる。その気持ちは分かりますし、高級感のある施設での“体験”という価値はあると思います。ただ、お金を出せば医学的によりよい結果が期待できるかというと話は別です」 高額な人間ドックほど病気が見つかりやすいというわけではない。スタンダードな検査は同じ。高額費用はラグジュアリー体験の対価なのだ。 「一般的な人間ドックなら3~5万円。会社の健康診断と自治体の検診を組み合わせれば、もっと費用は抑えられます」