「意外と知らない」「なるほどわかる」水冷エンジンと空冷エンジンって何が違うの⁉︎ バイクの基本をおさえちゃおう!
現代では標準的な水冷エンジン
対する水冷は、シリンダー近くのウォータージャケットという専用の通路に、液体を循環させてエンジンを冷やす方法です。冷却用の液体には、凍結しにくくて防錆効果も持つ、クーラント液を使うことが多いですね。エンジンの熱を吸収したクーラント液は、ラジエターを通る際に走行風や冷却用ファンの生み出す風によって冷やされ、再びエンジンの冷却へと向かうという仕組みです。 水冷式のエンジンは、エンジンの温度を外気温や走行速度に関係なく、一定に管理することができます。つまり、ピストンとシリンダーの間のクリアランスを空冷より少なくできて、高出力化が可能ということ。さらに、エンジン全体を走行風に当てる必要がないため、スーパースポーツのようにエンジンをカウルで覆ってしまっても、エンジンの冷却に支障がありません。 水冷式はウォータージャケットの分、エンジン幅が大きくなり、ラジエターや冷却水循環用のウォーターポンプ、ホース類など部品点数が多くなりがち。構造も複雑化しやすくコストも高くなりがちなのが、ネックです。しかし、現代的な高出力エンジンを作るには、もはや必須条件となっている冷却方式なんですね。 さらに、今や水冷エンジンの新車が大半となっている大きな理由のひとつが、ユーロ5をはじめとした排出ガス規制の影響です。年々、厳しくなる基準をクリアするためには、排気ガスの温度を綿密にコントロールして、有害物質を浄化しないといけません。前述したとおり、空冷エンジンは温度管理が苦手。排気ガス中の有害物質を再燃焼させるといった制御だってできません。そのため、温度管理が容易な水冷エンジン搭載車でないと市販化が難しくなってきているのです。
エンジンの冷却方式でバイクの特性がだいたいわかる!
高性能かつ車体設計の自由度が高い水冷式と、エンジンの美しさや独特のフィーリングを持つ空冷式。それぞれの特性がわかると、自分のバイクの特徴がわかりやすくなって、さらに愛着が湧きやすいかも。これから愛車を選ぶという人は、エンジンの冷却方式から選んでみるのもいいと思うぜ!
────────── ●文:ヤングマシン編集部(88サイクルズ@てんちょー/Vtuber/イラストレーター) ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ヤングマシン編集部