DMMビットコイン流出事件、北朝鮮のサイバー攻撃と分析──チェイナリシス調査
暗号資産(仮想通貨)取引所のDMMビットコインから2024年5月に約482億円相当のビットコイン(BTC)が流出した事件で、ブロックチェーン分析企業のチェイナリシス(Chainalysis)は、北朝鮮のハッカー集団による攻撃であった可能性を指摘する調査レポートを公表した。 チェイナリシスのレポートによると、2024年に北朝鮮関連のハッカー集団は47件の攻撃を実行し、総額13億4000万ドル(約2077億円、1ドル=155円換算)の暗号資産を奪取。この数字は前年比102.88%増で、2024年の暗号資産ハッキング被害総額の61%、総事件数の20%を占めている。 DMMビットコインへの攻撃では、インフラの脆弱性を突かれ、4502.9BTCが流出した。チェイナリシスの分析によると、攻撃者は盗取した資産を複数の中間アドレスを経由させた後、CoinJoinミキシングサービスを利用して資金の追跡を困難にした。 その後、一部の資金は複数のブリッジサービスを経由し、最終的にカンボジアの複合企業Huione Groupと提携するオンラインマーケットプレイスHuione Guaranteeに送金された。なお、Huione Groupは、サイバー犯罪を助長する主要な存在であることが以前に明らかになっているという。 DMMビットコインは、グループ会社の支援により顧客預金を全額補償したものの、この事件を受けて2024年12月に取引所の閉鎖を決定。資産と顧客口座は、SBIVトレードに移管され、2025年3月までに移行を完了する予定となっている。 関連記事:SBIVCトレードとDMMビットコイン両社が発表、資産移管で基本合意 |文:栃山直樹|画像:Chainalysis、Shutterstock
CoinDesk Japan 編集部