ちょい太でだいじょうぶ/医師で作家・鎌田實の「鎌田式 究極の若返り健康術」
「鎌田式 究極の若返り健康術」<25> 「ヘルシズム」という言葉を知っていますか。「健康至上主義」のことです。「健康のためなら死んでもいい」というジョークがありますが、ともすれば過剰になりがちな健康志向を皮肉ったものです。 そんな健康幻想をぶち壊し、間違った健康志向にとらわれず、「最後まで健康で幸福な生き方」とは何かを考えて、新しい本を作りました。「医者を鵜呑みにするな!『健康長寿』鎌田式VS和田式」(ワック)。 ・メタボだめ信仰の要注意 ぼくは健康づくり運動に50年関わってきましたが、その中で必要以上に健康を気にすることの誤りに気づきました。典型的なのが、メタボリック症候群。メタボ健診が全国で始まる2年前に、ぼくはあえて「ちょい太でだいじょうぶ」(集英社)という本を書き、その風潮に抵抗を試みました。 少し太っていた方が、健康で長生きするというデータを示しながら、イキ過ぎたメタボ信仰に警鐘を鳴らしたのです。 ・コレステロール少し高くても大丈夫 「コレステロールパラドックス」や「肥満パラドックス」という言葉があります。65歳を過ぎるとむしろ、肥満の人やコレステロールが少し高めの方が長生きで鬱(うつ)にもなりにくい。肥満は厳禁とされている糖尿病でも、同じ病気を持つ軽い肥満の人と痩せている人のその後の経過を見ると、やや太めの方が長生きなのです。