なぜ森保ジャパンは新型コロナ禍での緊急オランダ遠征を決めたのか?
新型コロナウイルスの影響で今年に入って一度も活動していなかった日本代表が、10月5日から13日にかけて設定されている国際Aマッチデーで、オランダ遠征を行うことが決まった。 日本サッカー協会(JFA)の反町康治技術委員長が、11日に緊急メディアブリーフィングを実施。来月9日にカメルーン代表と、同13日にはコートジボワール代表との国際親善試合をともにオランダ国内で、スタジアムに観客を入れないリモートマッチとして開催すると発表した。 当初、10月の国際Aマッチデーでは、今年3月に行われるはずだったミャンマー(ホーム)、モンゴル(アウェイ)両代表とのカタールワールドカップ・アジア2次予選が実施される予定だった。しかし、新型コロナウイルス感染が収束していない状況を問題視した、国際サッカー連盟(FIFA)とアジアサッカー連盟(AFC)が話し合った結果、アジア大陸全体で2次予選が来年3月以降に再延期された。 11月の国際Aマッチデーでともにホームで予定されていた、タジキスタン、キルギス両代表とのアジア2次予選も同様の理由で来年3月以降に再延期されている。加えて、3月、6月、そして9月の国際Aマッチデーで、JFAは代表チームの活動そのものも行わない決定を下してきた。 しかし、アジア2次予選こそ延期されたものの、国際Aマッチデーを制定しているFIFAは、代表チームの活動そのものは禁止していない。こうした状況を受けて、日本代表を率いる森保一監督は、昨年12月に韓国・釜山で開催されたEAFF-E1選手権が最後になっている代表活動を再開できないかと、JFAの技術委員会に要望してきた。反町委員長が舞台裏を説明する。 「1試合も戦わないまま2020年を終えることは、代表チームを強化していく継続性を考えたときに非常に困る事態でした。来年3月に再開予定のアジア予選へぶっつけ本番で臨む状況は避けたい、という現場の声も踏まえた上で強化試合の開催を模索し、今回実施することになりました」