都市近郊の自然探索ハイキング。朝夷奈切通から鷹取山へ
静けさに包まれた朝夷奈切通へ
初夏も過ぎ、徐々に気温も上がりつつあるころ、朝夷奈切通(あさいなきりどおし)に向かった。金沢八景駅からバスに乗り、朝比奈バス停で下車。歩き始めるとすぐに緑に包まれた山道となり、徐々に岩壁が迫ってくる。やがて切通しの切り立った岩壁に到着する。 鎌倉七口(かまくらななくち)の一つである朝夷奈切通は、鎌倉と六浦(むつうら)を結ぶ道で、国指定史跡になっている。そのまま直進すると岩盤が露出した道をたどって鎌倉市街地方面に行けるが、ここでは手前の分岐に戻り、熊野神社へ。 さらに上がって南に進路をとり、展望のきかない樹林の道を進んでいく。すれ違う人はごくまれで、とても静かな雰囲気だ。
果樹園への分岐から展望台に寄り道。展望台からは鎌倉市街と海方面の眺めがよい。果樹園への分岐に戻り、六浦方面から鷹取山をめざす。 しばらくして、鉄塔の下でまた分岐となる。以前、真夏に来た際、猛烈な草かぶりのためここで敗退した苦い経験があるのだが、若干草が繁茂していたものの、通れる状態でひと安心。 やがて舗装路に飛び出し、住宅地を下って県道に出る。日差しが照りつける中、六浦駅と反対方面に進み、六浦バイパス南側交差点から脇道に入る。公園前の階段を上がり横浜横須賀道路の上へ。さらに霊園の脇を通って山道を進むと、「鷹取山」を示す標識が現われた。ここから先も、序盤はやや草がかぶり気味であったが、途中から刈り払いされた道となり、快適に歩を進められた。
鷹取山の磨崖仏
鷹取山も近くなってきた頃、突如してそそり立つ岩壁が現われた。踏み跡をたどって東側に回りこんでいくと、木々の間に磨崖仏や彫刻のある岩壁や広い石切場のような空間が広がり、言葉を失う。 周辺には、岩壁や磨崖仏がひっそりと点在しているのだが、説明板などは一切ない。いったいいつ彫られたのかなど、詳細がわからずなにかモヤモヤしたまま、その場所を離れた。
やがて神武寺からの道と合流して、山頂直下の広場に飛び出す。広場周辺は、垂直に削り取られた岩場がそこかしこにあり、アスレチックのようだ。奥の階段から展望台に上がると、絶景が待っている。 山頂広場から岩場を縫って下っていくと、今度は巨大な磨崖仏が現われる。説明板によると昭和40年ごろ、彫刻家の手により彫られたとのこと。意外と新しいわけだが、すでにかなりの年月を経てきたような雰囲気である。 ここからは追浜(おっぱま)駅に下ることができるのだが、鷹取山山頂部から東へ続いている細い尾根の方面へ、足を延ばしてみた。