927gと466gで生まれた小さな双子の女の子。「ごめんね」と謝る私に「ママに会いたかったよ」…娘の言葉に涙があふれた【体験談】
2011年にリトルベビーハンドブックを作ってから13年
さとみさんは双子が4歳のころ、愛彩さんが入院していた静岡県立こども病院の医師たちが作ったリトルベビーサークル「ポコアポコ」に参加し始めました。 「サークルには私と同じように低出生体重児を育てる先輩ママや先輩パパ、小さく生まれて成長した子どもたちもいて、とても励まされました。娘たちが5歳になるころに『サークルの代表をしてくれないか』とお話がありました。私は子どもたちが生まれたときに、自分ができることはなんでもします、と神様にお願いしたことを思い出し、何か恩返しができればと、引き受けることに。 サークル活動をしていたあるとき、新聞記事で熊本県による極低出生体重児の支援で、“くまもとリトルエンジェル手帳”があることを知りました。通常の母子健康手帳には記入できないリトルベビーの成長を記録できるサブブックです。静岡県にはないものだったので、『私たちもこの手帳がほしい』と強く思いました。私たちは熊本の手帳を参考に研究を進め、静岡県の助成金事業に応募して、当事者による初めてのリトルベビーハンドブックを作成しました。完成したのは2011年のことでした」(さとみさん) その後、国際母子手帳委員会事務局長の板東あけみさんの協力を受け、リトルベビーハンドブック作成の動きが全国的に広がりました。 「13年たった今年、ついに47都道府県、すべての自治体で作成されることになりました。リトルベビーを育てる全国のママたちが『子どもの成長を記録できる手帳がほしい』という、同じ思いを持っていたのだと思います。あのとき『自分たちも作りたい』と声を上げてよかった、と強く感じます。 ただ、これがゴールではなく、まだまだたりない支援もあります。小さく生まれた赤ちゃんのママたちは、小さく産んだことに心を痛め、子どもの成長発達のことを心配しています。そんなお母さんたちにとって、安心して赤ちゃんを育てられる世の中になったらいいな、と、そういう思いでこれからもリトルベビーサークルの活動を続けていきたいと思っています」(さとみさん)
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