新型コロナ対策の希望~ウイルスを死滅させる装置を発明
コロナ対策にインフラ老朽化…社会課題を“発明”で解決!天才発明家の挑戦
思考に没頭すると「シャワーを浴びていて、気が付くと1時間が経っている」「新幹線に乗ろうとホームにいると、3本くらい行ってしまう」と言う、発明家でネジロウ社長・道脇裕(46)が3年ぶりに再び登場した。彼の発明に関わった人たちは「エジソンみたいな天才」「ノーベル賞をとれる人」「変人だけどイノベーションを起こせる」と口を揃える。 【動画】ニッポンの社会課題に立ち向かう!“不可能を可能に変える”天才発明家
長野市の救急病院「長野赤十字病院」の集中治療室に患者が次々と運び込まれていた。5類に移行した新型コロナウイルスが今年に入ってまた猛威を振るっているのだ。 「病床率は毎日が自転車操業。10人入って10人が出る。少しも減っていない厳しい状況です」(倉石博呼吸器内科部長) しかし、患者が集まる病院でも効果的な感染対策はなく、換気に頼っているのが実情だ。 「病院内も残念ながら安全とは言えません。狭い空間なので、1人が感染すると他の患者さんも非常に危ない」(倉石さん) この病院では3年前、実際に院内感染が発生。患者と職員の9人が感染し、5人が命を落としてしまった。
そんな苦い経験を持つ病院に、この日道脇が運んできたのは、3年かけて完成させた機械「ドクターエアー」だ。空気清浄機と使い方は似ているが中身はまったく違うと言う。 「空気中に含まれているウイルスや細菌類を死滅させる装置です」(道脇) つまり、これだけでコロナを撃退できるという待望の発明だ。装置の吸い込み口から吐き出し口まで、0.05秒の間にウイルスを不活化、感染力をなくすことができる。今回、この病院は3台の導入を決めた。 「大きな武器になります。こんな製品は他にない。ぶっ飛んでいます」(出口正男副院長) しかし、初めて見た医師は「本当なのかな」と半信半疑。一通り説明を聞いても、まだ信じがたい様子で「感染が本当に減るのか。減るならありがたいですが……」(倉石さん)。
実は3年前、番組は「ドクターエアー」の効果の検証に立ち会っていた。北里大学の微生物学の権威、北里英郎医療衛生学部長に協力を仰いだ。 道脇が考えだした仕組みとは、まず筒の中心部に紫外線を出すランプを置き、その周りは道脇考案の紫外線を反射する素材と形状に。これで超高濃度の紫外線空間が生まれ、ここを通ったウイルスは不活化するという発明だ。 「紫外線は減衰してしまうので、高度な反射率を保つことは難しい」(道脇) 検証の結果、培養液の中に入っている新型コロナウイルスに「ドクターエアー」を使ってみると、99.999%の新型コロナウイルスの感染力がなくなっていたのだ。 あれから3年。改良を重ね、「ドクターエアー」は今年1月にようやく完成。処理能力を試作機の1000倍までパワーアップさせ、一台76万7800円で売り出した。6畳間なら約9分で部屋中の空気を吸い込み、新型コロナウイルスを不活化できると言う。 「新型コロナウイルスやインフルエンザ、耐性菌などウイルスや菌類はみんな死滅します」(道脇)