【ビジネスの極意】「エンゲージメントサーベイ」とは?|従業員満足度との違いや目的、効果を解説
エンゲージメントサーベイの目的
続いて、エンゲージメントサーベイを行う目的について見ていきましょう。大きく3つの目的を紹介します。 ◆現状のエンゲージメントを把握する 企業が従業員のエンゲージメントを高めるためには、まず現状の状態把握が大切です。 エンゲージメントサーベイを行えば、エンゲージメントの高い従業員がどれくらいいるかが分かります。同時に、企業のミッションやビジョンがどれくらい従業員に浸透しているかも確認できる機会になります。 ◆従業員の企業への期待と現実のギャップを可視化する エンゲージメントサーベイを実施することで、従業員が企業や組織へ求める期待と現状とのギャップを把握できます。 エンゲージメントサーベイによって従業員が企業に何を期待しているのか、反対に何に不満を持っているのかが可視化でき、優先順位の高い課題が見えてくるでしょう。さらに、上司や同僚、部下との関係や、自己成長などについても従業員自身の期待と現状とのギャップにも気づくことができます。 ◆企業の見えない課題を洗い出す 売上や利益率などは企業活動において重視されやすく分かりやすい課題ですが、企業には可視化されていない課題があるものです。 例えば、業績は良いのに次世代のリーダーが育っていない、企業に不満を募らせた従業員が多いなどの課題を抱えている企業もあるでしょう。 エンゲージメントサーベイを行えば、従業員のモチベーションの低下や人間関係の悪化、企業に対する不信感など、数字には表れない課題を発見できます。
エンゲージメントサーベイを実施するメリットや効果
エンゲージメントサーベイの実施で、企業はさまざまなメリットや効果を得ることができます。5つの項目について、紹介します。 ◆従業員のモチベーションの向上 エンゲージメントサーベイを実施することで、従業員の業務状況やコンディションを把握できるようになります。 もし、従業員のモチベーションが下がっていれば、適切なタイミングでフォローができ、対処法を講じることも可能です。さらに、モチベーションアップのための対策も実施できるでしょう。 ◆生産性の向上 エンゲージメントサーベイによって得られたデータをもとに人事施策を見直したり、課題解決に取り組むことで、働きがいを向上させることが可能です。 従業員のモチベーションや働きがいが向上すれば、従業員が自分の仕事に責任を持つようになり、結果としてパフォーマンスや生産性が上がります。生産性の向上は企業としての利益に直結するため、エンゲージメントサーベイを行い適切な対処を行うことは業績向上につながるでしょう。 ◆離職率の低下 エンゲージメントサーベイで、離職の予兆を発見できる場合もあります。 予兆を早めに発見して人事面談などの適切なフォローを行えば、離職率低下に貢献できるはずです。加えて、エンゲージメントサーベイの結果を活用して企業への愛着度や信頼度を深められれば、従業員の定着率の向上につなげられるでしょう。 ◆人事トラブルの抑制 エンゲージメントサーベイの際、匿名性をきちんとアナウンスしてフリーコメント欄を設けることで、企業内の人事トラブルの火種を発見して予防策を講じられるようになります。 対人関係の悩みはなかなか表立って相談しにくいため、匿名性の高い調査であることをアピールすると打ち明けやすくなるでしょう。もし、実際にエンゲージメントサーベイで人事トラブルを発見した場合は、守秘義務を守って調査を行うのが重要です。 ◆従業員エンゲージメントの向上 エンゲージメントサーベイの結果を見ると、従業員のニーズや要望をより具体的に把握できるようになります。それに基づいた改善策を実施すれば、おのずと従業員エンゲージメントの向上が期待できるでしょう。 従業員エンゲージメントが向上すると、従業員の企業への愛着や貢献意欲もアップします。顧客に対して、より企業の魅力を伝えるようになるため、顧客満足度や業績が上がるなどポジティブな影響が期待できます。