「これに気づく子どもの観察力すごいな」ウミガメ飼育員への〝質問〟に7万いいね「なんで、つのがあるの」
「なんで、つのがあるカメがいるの?」ーー。ウミガメについて寄せられた「質問」。思わず「カメに角があるってどういうこと…?」と考えてしまった筆者ですが、ウミガメ保護施設の「回答」に、SNSで驚きの声が上がっています。飼育員に聞きました。 【画像】カメの「つの」はこちら。見えた!(赤い丸の中)「これに気づく子どもの観察力すごい」
かなり拡大してようやく見える
話題になったのは、三重県にあるウミガメ保護施設が併設した道の駅、紀宝町ウミガメ公園(@umigame_kouen)のXの投稿です。 投稿された質問用紙の画像には、飼育員への質問として「なんで(口に)つのがあるカメもいるの?」と書かれています。 カメに、つの……? 筆者は記憶をたどっても、カメの角を思い出せませんでしたが、飼育員はこう回答しています。 《子ガメの口の上には「卵角(らんかく)」という卵を割るための角があります》 回答に添えられた手書きのイラストには、カメの鼻先に小さな角があり、「おきもちていど(お気持ち程度)」と注釈がついています。 さらに続く投稿には、本物の子ガメの画像もあり、その鼻先には、かなり拡大してようやく見えるような小さい角が! 一連の投稿には「これに気づく子どもの観察力すごいなぁ」「カメのおきもち、かわいい」「ガチ知らんかった」などと驚く声が上がり、7万以上のいいねがつきました。
角は1ミリくらい
飼育員の伊藤柊也さんによると、この「卵角」は、生まれてまもなくするとなくなってしまう〝期間限定〟の角で、「個体差や種差もあると思いますが1~2か月もすると角は確認できなくなります」とのこと。 そもそも子ガメ自体が小さく「ウミガメ公園で生まれたアオウミガメの子亀は甲長約5センチ」と言い、その鼻先にある卵角は「大きさは測ったことがないのですが、1ミリくらいだと思います」という小ささです。
カメの角といえば
注意して見なければ分からないほどの小さな小さな角。伊藤さんは「実際に卵角に気付いて質問してくれたのかはわかりません」と言います。 「質問者さんの実際の意図は分かりませんが、カメの角といえば私の中では『卵角』だったので今回のような回答をさせていただきました」
いずれにしても、すごい観察力
「道の駅ウミガメ公園」では、野生で傷付いたウミガメの保護や繁殖に取り組んでおり、入場無料の施設内では大きなプールで泳ぐウミガメを見たり、ウミガメについて学んだりすることができます。 「卵角」が残る子ガメの写真も展示してあるそうで、「(質問者は)それを見たのかもしれませんし、尖った鼻や口の形状を角だと思ったのかもしれません」と伊藤さんは想像します。 いずれにしても、じっくり観察して、疑問に思ったことを素直にぶつけられる感性に、脱帽です。