岸田文雄首相が就任会見(全文2)東北の復興なくして日本の再生なし
核廃絶に向けた決意と覚悟を聞きたい
中国新聞:中国新聞の下久保です。よろしくお願いします。総理は自民党の総裁選期間中に聞く声を訴えられ、また国民の声を記してきたというノートを掲げられました。そこにはもちろん地元、被爆地の広島の方々の声もあるんだと思います。被爆者の方々は核兵器禁止条約の署名・批准、また条約締約国のオブザーバー参加を求められています。折しも、アメリカのバイデン大統領も核なき世界について理解を示しておられます。総理は日米首脳会談など機会があればこれについて協力を求める考えがありますか。核廃絶に向けた決意と覚悟をあらためて聞かせてください。 岸田:はい。まず先ほども冒頭発言で申し上げたように、被爆地・広島出身の総理大臣として核兵器のない世界に向けて全力を尽くしていきたいと思っています。私も外務大臣時代から核兵器のない世界を目指す、これはライフワークとして取り組んできました。しかし、その中で厳しい現実にも直面しました。やはり核兵器をなくすという大きな目的に向けて努力する際に、現実に核兵器を持っているのは核兵器国ですから、核兵器国を動かしてこそ現実は変わるんだと、こういう厳しい現実に何回もぶち当たって残念な思いをした。こういったことがたびたびありました。 この核兵器のない世界に向けて、核兵器禁止条約、これは大変重要な条約だと思います。核兵器のない世界を目指す際の出口に当たる、大変重要な条約だと思いますが、ただ残念ながら核兵器国は1国たりともこの核禁条約、これには参加していないという状況であります。ぜひ唯一の戦争被爆国として核兵器国、アメリカをはじめとする核兵器国をこの核兵器のない世界の出口に向けて引っ張っていく、こういった役割をわが国がしっかり果たさなければいけない。こういったことを強く思っています。 そして日米首脳会談でこれを取り上げるかということですが、具体的な会議の内容について、今ここで予断を与えることは適切ではないと思いますが、バイデンアメリカ大統領もすでに昨年の自らの大統領選挙の最中に核兵器のない世界を目指すということを世界に向けて発信されています。ぜひこのバイデンアメリカ大統領ともしっかり意思疎通を図る中で、大きな目標に向けて何ができるのかしっかり考えていきたいと思ってます。以上です。 司会:次、七尾さん。