やはりレベルが違う!? J1→J2移籍で大活躍した選手10人。苦悩の末に輝きを取り戻した選手たち
日本でトップレベルの選手が集うJ1リーグのクラブでは、さまざまな理由からピッチに立つことができない選手も多々いる。そんな選手が出場機会を求めてJ2のクラブへ行った途端に活躍するケースは少なくない。そこで今回は、J1からJ2への移籍で改めて自身の価値を証明している選手を紹介する。※データは12月5日時点の『transfermarkt』を参照、スタッツは『jleague.co』を参照。
MF:アダイウトン(ヴァンフォーレ甲府)
生年月日:1990年12月6日 前所属クラブ:FC東京 2024リーグ戦成績:33試合14得点3アシスト ブラジル人のアダイウトンは、2015年にジュビロ磐田に加入して日本でのプレーを始め、同シーズンにJ2で17得点5アシストを記録し、クラブのJ1昇格に貢献した。 2020年からはFC東京でプレーし、J1の舞台でも存在感を発揮。2024シーズンからはヴァンフォーレ甲府に移籍し、新たな挑戦をスタートさせた。 2023シーズンのJ1で3得点6アシストを記録したアダイウトンは、J2に戻って別格のプレーを披露。シーズン序盤は静かな立ち上がりだったが、4月以降は甲府の攻撃の軸として圧倒的な推進力を発揮した。 特に甲府の前線にボールを収まった瞬間は、2列目から飛び出すアダイウトンへの期待が高まる瞬間で、チーム全体のベクトルが前へと向かう。14得点3アシストという結果は、甲府の総得点の約3割に関与しており、J2下位10チームの中で最多ゴールを記録した攻撃陣を牽引した要因の一つと言える。 9月21日のベガルタ仙台戦ではJリーグ通算300試合出場を達成。この記念すべき節目を迎えた後も勢いは止まらず、シーズン終盤のラスト5試合で5得点1アシストを記録した。34歳の誕生日を迎えた今も、年齢を感じさせないパフォーマンスを見せ続けている。
FW:佐藤大樹(ブラウブリッツ秋田)
生年月日:1999年4月23日 前所属クラブ:FC町田ゼルビア 2024リーグ戦成績:36試合6得点3アシスト 佐藤大樹は北海道コンサドーレ札幌の育成組織出身だが、トップチーム昇格は果たせず、法政大学で経験を積んだのち、2022年にFC町田ゼルビアでプロキャリアをスタートさせた。 プロ1年目はJ2で8試合に出場したものの得点はなく、2023年5月にY.S.C.C.横浜へ育成型期限付き移籍で加入すると、J3で26試合7得点と結果を残した。今シーズンはブラウブリッツ秋田に期限付き移籍で加入し、さらに成長を遂げた。 佐藤はシーズン序盤からゴールを量産し、第9節までに4得点を記録。左足のキックは彼の最大の武器で、精度と威力を兼ね備え、遠距離からでもゴールを狙える点が特徴だ。 シュート精度の高さはデータにも表れており、42本のシュート数(チーム3位)のうち枠内シュートは18本(チームトップ)と、効率の良さが光る。 その後の得点数が伸びていないことは気になるところかもしれないが、こちらは起用法によるものだ。シーズン途中から左サイドハーフ起用がメインになったことで、ゴールに直結するプレーよりもサイドで攻撃の起点になるプレーが多くなった。 それでも佐藤は、得点とアシストに加え、ドリブルとクロスの回数でチームトップの数字を記録。秋田の攻撃を牽引する存在として、重要な役割を果たした。 10位フィニッシュの秋田は、今季のJ2総得点が36と、リーグ16位の得点力に留まったものの、守備力を武器とするチームの中で佐藤が多くの得点に絡んだことは、攻撃面での彼の価値を示している。来シーズンの去就が注目される選手だ。