やはりレベルが違う!? J1→J2移籍で大活躍した選手10人。苦悩の末に輝きを取り戻した選手たち
FW:若月大和(レノファ山口FC)
生年月日:2002年1月18日 前所属クラブ:湘南ベルマーレ 2024リーグ戦成績:34試合7得点4アシスト 若月大和は、2018年にU-17サッカー日本代表としてFIFA U-17ワールドカップ(W杯)に出場し、2019年に湘南ベルマーレに特別指定選手として加入した。翌2020年にはスイスのシオンに2年間の期限付き移籍で挑戦するなど、日本サッカー界の期待を背負う若手選手だった。 しかし、この欧州挑戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた。加入直後にチーム活動が一時停止するなど逆風が続き、思うような結果を残せず、2022年に湘南ベルマーレに復帰。日本に戻ってからもJ1で出場機会に恵まれず、2024シーズンから完全移籍でレノファ山口FCに加入した。 それでもJ2に舞台を移すと、すぐに結果を残した。開幕戦の横浜FC戦で先発し、いきなりゴールを記録。第14節のモンテディオ山形戦では、PKを失敗してしまうが、その直後のCKからゴールを奪い、チームの勝利に貢献した。 8月の天皇杯4回戦では、サガン鳥栖戦で1得点1アシストの活躍を披露。自慢のスピードとキレのあるドリブルでJ1のクラブを翻弄し、チームを2-0の勝利に導いた。 10代の頃に期待されたポテンシャルを考えると、まだその全てを発揮したとは言い難い。しかし、若月にとって2024シーズンは、プロキャリア初めてのフルシーズンを戦い抜いた重要な年となった。これからも成長を続ける可能性を秘めた22歳のアタッカーが、どのような進化を遂げるのか注目だ。
MF:中村亮太朗(清水エスパルス)
生年月日:1997年9月27日 前所属クラブ:鹿島アントラーズ 2024リーグ戦成績:36試合1得点4アシスト 2020年にヴァンフォーレ甲府でプロキャリアを始めた中村亮太朗は、2年間J2で活躍したのち、鹿島アントラーズに加入した。 しかし、J1の名門である鹿島では分厚い選手層に阻まれ、出場機会を十分に得られず、2023シーズン途中に期限付き移籍で甲府に復帰。今シーズンは清水エスパルスに期限付き移籍で加入した。 今季J2で30試合に出場し、センスあふれるパスで攻撃のリズムを生み出した中村は、第31節のレノファ山口FC戦で自陣から正確なロングフィードを最前線に送り、矢島慎也の得点をアシストするなど、持ち味を存分に発揮した。 また、ヘディングの感覚も特筆すべきものがある。第15節の鹿児島ユナイテッドFC戦でCKからゴールを決めた中村について、秋葉忠宏監督はクラブ公式サイトで「ゴール前への入り方や当て勘みたいなものがすごく良い選手。身長が180cmない中でのああいう感覚は遠藤航選手に似たような非常に良いセンスを持っていると思う」と称賛していた。 このヘディングはシーズン終盤にも輝きを見せた。J1昇格を決めた第36節・栃木SC戦と、J2優勝を確定させた第37節・いわきFC戦でも、CKを中村がニアでフリックしたところから決勝点が生まれた。 守備面での貢献度も際立つ。タックル数とインターセプト数はチームトップ、ブロック数も2位と、複数の守備指標で上位を記録しており、攻守両面での活躍が光った。 来シーズン、3年ぶりのJ1に挑む清水は、まず中村を完全移籍で獲得することを目指しているのではないだろうか。攻守にわたり重要な戦力となる中村の今後の動向に注目だ。