コロナ対策徹底で「圧倒的にインフル抑えた」 約6.6万件から60件に減少―小池都知事
東京都は4日、新型コロナウイルスの都内での感染状況と医療提供体制について医療の専門家らが分析・報告する「モニタリング会議」を開いた。会議で小池百合子知事は「都内におけるインフルエンザの発生状況だが、2019年の流行時は6万6828件だったのが2020年、昨年でなんと60件で留まっているという数字がある。これはマスク、手洗いなどを徹底することによってむしろインフルエンザは圧倒的に抑えられたという、そのような数字だ」と述べた。
小池知事は「手洗い、マスク等が、いかに他の疾病を抑えるかという意味でもあろうかと思う。引き続きの協力を」と都民らに呼び掛けた。 一方で、時短要請などが解除された地域で「すでにリバウンド傾向が見られるという報告をいただいた。また、他の地域が解除される、という報道だけでもぴょんと(夜間の滞留人口が)跳ね上がっているという分析もある。主要な繁華街では夜間の滞留人口が少し減っているが、昼間がさらに増加しているという分析で、都民のみなさんには改めて徹底した外出自粛の要請をしなければならない。昼夜、平日、休日どちらも外出を控えていただいて、とことんステイホームをお願いする」と語った。
専門家「感染収束の上で宣言解除を」
会議では、東京都医学総合研究所の西田淳志氏が都内の繁華街における夜間滞留人口についての分析を報告。先週末までの都内の主要な繁華街の人流を調べた結果、「緊急事態宣言期間中においては、飲食店の8時までの時短要請が行われ繁華街の夜間滞留人口が抑制されたことにより感染者が大幅に減少した。このことからも繁華街の夜間滞留人口とその後の感染状況との間には強い関連があることが示唆されている」と説明した。 今回の緊急事態宣言発令後の状況については「約1か月程度、夜間滞留人口は抑えられてきたが、他の府県の解除関連報道が増え始めた2月の中旬ごろから都内の夜間滞留人口も明らかに増加し始めている。こうした増加傾向が数週にわたって継続すると、その後の感染再拡大のリスク、リバウンドのリスクが急激に高くになっていく」と指摘。先週は夜間滞留人口が減少に転じたものの、「引き続き予断を許さない厳しい状況」と警鐘を鳴らした。 また、西田氏は「例えば大阪では11月末に時短要請が行われ、繁華街の夜間滞留人口が減少したことで感染者数が一時減少に転じたが、実行再生産数が十分に下がらない段階で人流が再び増え始めその後急激なリバウンドが発生した」としたほか、札幌市でも「12月と1月に実行再生産数が十分に下がりきらない段階で、夜間滞留人口が増加に転じた局面があり、2度のリバウンドが発生している」と説明。「こうした実際の事例からも感染状況が十分に収束する前に夜間滞留人口が増加し続けるとその後リバウンドするリスクが顕著に高まることが示唆されている」と分析した。 そして、東京については「いまだ感染状況が十分に収束してきているとはいいがたい状況」とし、「こうした状況下で夜間人流が増加し続けると早い段階でリバウンドする可能性があると思われる。リバウンド防止の観点から、感染状況を十分に収束させた上での宣言解除が重要になってくるが、それを実現するには現状の人流抑制の水準に留まらず、さらにもう一段の対応が必要になる」と語った。