「サッカー王国」静岡の復活期す J1復帰を決めた清水エスパルス監督、秋葉忠宏さん(49) 地域で輝く
静岡市をホームタウンとするサッカーJリーグの清水エスパルスの監督を令和5年4月から務めている。エスパルスは6年10月、3シーズンぶりのJ1復帰を決めた。「(Jリーグ発足時に参戦した10クラブを指す)『オリジナル10』の中では唯一、大企業のチームを背景としない市民チーム。ファンの声援に応えるプレーを展開し、より多くのファンの支持を獲得していく」と、喜びをかみしめつつも気を引き締める。 【画像でみる】東日本の新スタジアム構想のある主なチーム 多くの日本代表メンバーを輩出し「サッカー王国」と呼ばれる静岡県だが、5年はJリーグ創設から初めてJ1に静岡県勢が不在に。そうした困難な時期にエスパルスの指揮を任され、J2優勝とJ1昇格をクラブの目標に掲げた。 監督初年度の5年は、J1昇格プレーオフの決勝で東京ヴェルディと引き分けて、あと一歩のところで昇格を逃した。捲土(けんど)重来を期した6年は「ONE FAMILY(ワン ファミリー)」をシーズンスローガンとして臨み、J2優勝とJ1復帰をつかみ取った。「まずは安定的にJ1にとどまり、上位をうかがいたい。エスパルスにはタイトルを取りにいく素地もある」と自信をのぞかせる。 J1で活躍すれば地域は活気づく。「かつては静岡の中学や高校が全国大会のタイトルを総なめにしてきたが、近年は他の地域のレベルも上がり、昔のようにはいかなくなっている。エスパルスのレベルをより高めることで、〝サッカー大国静岡〟の復活にもつなげていく」と闘志を燃やしている。(青山博美) ■あきば・ただひろ 昭和50年、千葉市生まれ。市立船橋高卒業後、平成6年にジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)に入団。FIFAワールドユース選手権(現U-20W杯)や、1996年アトランタ五輪に出場。平成22年に現役を引退し、国内チームのヘッドコーチや監督、U-21日本代表コーチなどを経て、令和5年4月に清水エスパルスの監督に就任した。