〔米株式〕ダウ下げに転じる、111ドル安=ナスダックも安い(20日午後)
【ニューヨーク時事】20日午後のニューヨーク株式相場は、もみ合いで始まったものの、ウクライナ情勢の緊迫化を背景にしたリスク回避の売りに下げ幅を拡大している。午後2時現在は、優良株で構成するダウ工業株30種平均が前日終値比111.53ドル安の4万3157.41ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は、166.61ポイント安の1万8820.86。 ロイター通信によると、ウクライナは20日、英国製の長距離ミサイル「ストームシャドー」をロシア領に向けて発射した。ロシア国防省は19日にも、ウクライナ軍が米国製の長距離地対地ミサイル「ATACMS」を撃ち込んだと明らかにしており、ロシアのプーチン大統領は同日、核兵器の使用条件を示した核ドクトリンを改定、ウクライナを軍事支援する欧米も核攻撃の対象になると示唆した。双方の応酬が激化する中、市場では地政学リスクを意識したリスク回避の動きが強まり、売りが優勢となっている。 一方、この日引け後に四半期決算を発表するエヌビディアは一時2.2%安。世界的に人工知能(AI)向け半導体の需要急増が続く中、台湾積体電路製造(TSMC)が先月発表した決算が好調だったことから、市場関係者らの間ではエヌビディア決算が市場予想を上回るとの観測が浮上。一方で、市場予想を下回った場合には相場全体に売りが波及するとの見方もあり、警戒感も根強い。