松坂桃李がオタク役を熱演 ハロプロの「あの頃。」
松坂桃李が「ハロー!プロジェクト」に青春を捧げるアイドルオタク役に挑戦した映画「あの頃。」(今泉力哉監督)が19日公開され、ハロプロファンを中心にさまざまな反響を呼んでいる。モーニング娘。や松浦亜弥らを擁するハロプロがJ-POP界を席巻していた2000年代初頭当時のリアルな様子を描いた青春エンターテインメントで、コメディ要素もたっぷり盛り込まれている。劔樹人氏が大阪・阿倍野でハロプロオタク仲間たちと過ごした頃を振り返った自伝的コミックエッセイ「あの頃。男子かしまし物語」の実写映画化だ。
ネットに続々、思い出エピソードが
松坂が演じる主人公・劔(つるぎ)はバイトに明け暮れ、好きで始めたバンド活動もままならず、うだつの上がらない日々を送る。心配した友人から渡されたDVDで松浦亜弥の姿を目にしてから、圧倒的なアイドルとしての輝きに自然と涙があふれ、ハロプロにハマっていく。そしてハロプロオタク仲間と出会い、“恋愛研究会。”というバンドを組む。共演は仲野太賀、山中崇、若葉竜也、芹澤興人、コカドケンタロウら。 ネット上にはさっそくさまざまな人からの感想が書き込まれた。「『あの頃。』を観てハロコン行きたくなって調べてる」と、懐かしい思いから現在のハロプロに興味をそそられたという人もいれば、「小学生の時にお小遣い握りしめて駄菓子屋でモーニング娘。のカード引いてたあの頃を思い出した」「あやや(松浦亜弥)ライブ後の居酒屋では桃のリキュールが品切れになった思い出」と、当時の話を語る人など青春の、人生の一時をハロプロと過ごした人たちの声が躍る。
つんく♂もネットで楽曲使用許諾のエピソード語る
また、大のハロプロファンとして知られる歌手でタレントのぱいぱいでか美も、自身のツイッターで公開前から同作をPR。なんと、少しだけだが出演しているという。「まさかのハロヲタ役ではありませんので映画に集中しつつ探して欲しいです。笑 現在進行形でハロプロに人生救われまくってるので、素敵な作品に少しでも携われて光栄です」と嬉しそうだ。 さらに、ハロプロといえばこの人、と誰もが連想するであろうつんく♂もnoteを更新。18日付の「映画『あの頃。』を観たつんく♂が今だから語れる、松浦亜弥とモー娘。とハロプロ。」と題した投稿で、同作にモーニング娘。のナンバー「恋ING」の使用許諾を与えた経緯や背景などを語りながら、「ハロヲタを観るものでも、当時を懐かしむものでもなく、人間誰しもの心の中にある、挫折や孤独、友情や、裏切り、人のあたたかさや、希望や夢、そして、音楽が持つ真の強さがいっぱい詰まった映画です。音楽を理解してる人だからこそ作れる、勇気づけられる作品だなって思いました。じっくり観て欲しいです!」としている。 ハロプロがブームになり、そしてそれが落ち着いた頃には「そろそろハロプロも限界だろう」とささやかれ、メディアにもそうした記事が定番のように掲載されたものだった。しかし2021年、時代が平成から令和に変わってもなおハロプロやグループアイドルは健在で、コロナ禍にあってもしっかりと生き残っている。好きなアイドルを支える情熱や仲間との出会いの素敵さは、変わることがないのだろう。 (文:志和浩司)