「ナイスステップな研究者2024」に精鋭10人、広範な分野で成果
文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP、ナイステップ)は、科学技術イノベーションのさまざまな分野で活躍している研究者10人を「ナイスステップな研究者2024」に選定した。社会的課題に関わる研究に取り組むほか、広く成果を還元している人物を選んだという。 専門家約1700人への調査などにより、最近の活躍が注目される研究者を抽出。研究実績に加え、人文・社会科学との融合などの新興・融合領域を含めた最先端の画期的な研究内容、産学連携・イノベーション、国際的な研究活動の展開などの観点から、NISTEPの所内審査を経て10人が決まった。
活躍が期待される若手研究者を中心に、物理学や生物学、コンピューター科学、言語学などの分野の人材が選出された。
ナイスステップな研究者は2005年に開始。過去に選ばれた人物には、後にノーベル賞を受賞した山中伸弥氏や天野浩氏がいる。
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選定された研究者と研究内容は次の通り。敬称略。所属は公表の17日時点。
加藤淳=産業技術総合研究所主任研究員「現場に根差す創作支援ツールのインタラクション研究」
佐々田槙子=東京大学大学院数理科学研究科教授「ミクロとマクロの世界をつなぐ数学 非平衡統計力学の普遍的な理解を目指して」
高本聡=Preferred Networksマテリアル&創薬研究担当ゼネラルマネジャー「機械学習と物質科学の融合による汎用原子シミュレーション」
高山和雄=京都大学iPS細胞研究所講師「iPS細胞やオルガノイド、臓器チップを用いた感染症研究」
坪山幸太郎=東京大学生産技術研究所講師「人工タンパク質の合理設計法への挑戦」
久富隆史=信州大学アクア・リジェネレーション機構教授「再生可能なグリーン水素製造用粉末光触媒の開発」
平松光太郎=九州大学大学院理学研究院化学部門准教授「高速分光技術の開発と大規模細胞解析への応用」
藤代有絵子=理化学研究所創発物性科学研究センター(兼)開拓研究本部極限量子固体物性理研ECL研究ユニットリーダー「極限環境で探るトポロジカル磁気相転移と電子物性の新展開」