関係者から性暴力なぜ起きる 未成年アイドルが身を守る方法とは
アイドルが社長やマネージャーなど事務所関係者からセクハラなどの性暴力を受けるケースがたびたび芸能ニュースを賑わせます。当事者が未成年となると事態はより深刻です。なぜこういうことが起きてしまうのか、防止する手立てはないのか、マネージャー経験のある人など元芸能関係者に聞きました。
マネージャーの質で左右されるタレントの命運
「あってはならないことですが、残念ながら芸能界には立場を利用してそういうことを行うプロデューサーや権力者が少なくありません」と話すのは、作家の染井為人(そめい・ためひと)さんです。染井さんは芸能事務所のマネージャー、舞台演劇・ミュージカルプロデューサーを経て作家デビュー、2017年『悪い夏』で第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しました。マネージメントに携わっていた当時を振り返って話します。 「第三者、世間から見れば『なぜこんな連中に従ってしまうの?』と不思議に思うかもしれませんが、この手の連中はきまって言葉巧みで悪賢い。それと同時にタレント側も若く、騙されやすい、支配されやすい人たちが多いというのもあるでしょう」 アイドルの場合、10代で活躍する人も多いことから人生経験に乏しく、人を見る目も肥えていない面が多々あるのでしょう。また、アイドルになりたいという気持ちを利用する大人が多いのも事実です。 「被害を未然に防ぐにはタレントを守ってくれるマネージャーの存在が必要不可欠ですが、マネージャーにもろくでもないのがいたりするので、結局のところ自分の身は自分で守るほかないのかな、と思いますね」 タレントとマネージャーは近しい距離感で一緒に仕事をしますから、マネージャーの質の高低でタレントの命運も大きく左右されがちです。プロダクションの規模が小さければ、社長がマネージャーを兼ねる場合などもあります。
権力を持つ人が仕事を回せる 欲に負ける大人
ではそのマネージャーの目には、こうしたケースはどう映るのでしょう。匿名を条件に、大手芸能プロダクションの元マネージャーの40代女性Aさんが内情を明かします。 「基本的に可愛い子、かっこいい人が集まってくる世界なので、欲に負ける大人もいるんだろうな、と。権力を持つ人が仕事を回せるので、そういう人から何かされた場合に逆らいにくい状況もあります」 ただ、また別の側面もあるとAさんは続けます。 「未成年タレントのケースでは合意のあるなしを問わず手を出した大人に100%の非がありますが、成人になるとまた別のケースもあります。たとえば、実力者との個人的な関係を利用してのし上がって行くタイプのタレントもいると聞きます。そうなると成人同士の合意の上での話ですから是非を問うのは難しくなるし、周りも見て見ぬフリをしているのではないでしょうか」 ファンからすれば穏やかではない話ですが、成人同士の合意の上での話であれば犯罪行為でもない限りは不問ということでしょう。