トランプ政権誕生で「ビットコイン」はどうなる? “デジタルゴールド”になる可能性も…2025年の展望
「アメリカをビットコイン超大国に」と掲げるトランプ氏が大統領に就任する2025年。暗号資産をめぐる規制緩和への期待などから、ビットコインの価格は急騰、2024年12月には史上初の10万ドルを突破した。今後、需要がさらに高まり“デジタルゴールド”としての地位を確立するとの見方も出ている。 (NNNニューヨーク支局 橋本雅之)
■トップアナリスト 2025年のビットコイン価格予想は…
ニューヨーク・マンハッタンにある暗号資産バー「PubKey」。店内にはビットコインの値動きが表示されていて、暗号資産で代金を支払うことも可能だ。トランプ氏は、大統領選まっただ中の24年9月にこの店を訪問し、ハンバーガーやビールなどをビットコインで購入。常連客らにふるまい、暗号資産を推進する姿勢をアピールした。
トランプ氏の勝利を受けて、ビットコインの価格は急騰し、史上初めて10万ドルを突破。その盛り上がりを肌で感じようと、24年12月に「PubKey」を訪ねてみた。店内は20代から40代の男性を中心に賑わい、多くが暗号資産保有者だ。この日は、トップアナリストらを招いてビットコインの相場分析が行われていた。 登壇者の1人で、暗号資産に詳しい投資会社ギャラクシー・デジタルのリサーチ部門のトップ、アレックス・ソーン氏にビットコインの展望を聞いた。 ソーン氏は、トランプ政権が誕生する25年は「非常に楽観的だ」と指摘。短期的な価格変動や調整局面はあるとしつつも、「1ビットコインが15万ドル以上になる可能性が十分にあると分析している」と語った。
■ビットコインは“デジタルゴールド”になる可能性
ビットコインには、総発行枚数2100万枚という上限がある。地球上の金(ゴールド)の埋蔵量に限りがあるように、発行枚数に上限を設けることで希少価値を保つ狙いだ。 近年、記録的なインフレとなったアメリカでは、米ドルの価値が低下することへの懸念から、「価値の保存」手段の1つとして、ビットコインを保有する動きがある。実際、暗号資産バーの客に話を聞くと、「インフレへの対応策として、金(ゴールド)と同じような感覚でビットコインを購入している」と語った。 また、中央銀行にあたるFRB(=連邦準備制度理事会)のパウエル議長も24年12月、「ビットコインは金(ゴールド)のようなものだ」「ドルではなく金(ゴールド)と競合するものだ」と発言。 さらに、米財務省も報告書の中で、「ビットコインの主な用途は、分散型金融の世界における価値の保存、いわゆるデジタルゴールドであるようだ」と指摘するなど、“デジタルゴールド”としての地位を築きつつある。 こうした状況を受け、世界有数の資産運用会社であるブラックロックは24年12月、投資家に対してポートフォリオの1~2%にビットコインを組み込むことを推奨した。