【コラム】角田裕毅にとって正念場の5年目…ホンダとのつながり関係なしに未来を勝ち取るため、2025年に成すべきこと|F1
5季目の角田は事実上、背水の陣に
ローソンのレッドブル昇格によって、角田にとって明確な目標が一つ事実上消滅した形になった。 レーシングブルズで5季目突入となる角田について、ホーナー代表は「サポートチームに5年もいるドライバーをこれ以上走らせるわけにはいかない」と口にしており、2025年の出来にかかわらず、同グループからの角田放出を示唆している。 こうなった以上、不確定要素の多い新規定の2026年に向けて角田はできる限りの成果を示すしかない。 今の角田が置かれた状況は、僚友として間近に見ていた時のガスリーに近しいものがある。 かつて2021年、新人の角田は4歳年上のフランス人ドライバー、ガスリーとコンビを組んだ。このシーズンのF1をリアルタイムで見ていた日本のF1ファンは、なかなか僚友ガスリーに近づくことができないもどかしさを感じていたはず。 シーズンの総合成績は角田32-110ガスリーというポイント数で大差になった。予選のチーム間当該成績も角田1-21ガスリーと、最終戦アブダビGPでようやく角田が初めて先行するまでとにかく苦難の道のりだった。それほどAT02を駆るガスリーは予選の一発勝負でミスがなく、かつ抜群の安定感を有していた。
ガスリーは一度2019年にレッドブル昇格となったがシーズン中盤には見限られ、トロロッソ出戻りの憂き目に遭った。それからガスリーはトロロッソ~アルファタウリで「レッドブルの再昇格が目標」と公言しながら奮闘を続ける。2020年のモンツァではF1初優勝。角田が2年間(2021年、2022年)間近に見ていたガスリーは決して腐ることなく、弟分角田の手本となりながらチーム先導の役割をしっかり担った。 フェルスタッペンに及ばなかったレッドブル時代の評価を覆し、この戦いぶりが評価されて2023年にアルピーヌへ移籍。ガスリーは2025年時点で押しも押されもせぬアルピーヌのエースとなっている。 そして2025年、角田の頑張りについては、僚友が一つの指標となるだろう。新シーズンのレーシングブルズでは4歳年下のフランス人ルーキー、イザック・アジャーと組むことが決まった。かつて4歳年上ガスリーが担った役割を角田は2025年、レーシングブルズで務める。