【コラム】角田裕毅にとって正念場の5年目…ホンダとのつながり関係なしに未来を勝ち取るため、2025年に成すべきこと|F1
真価の問われる2025年、日本人ドライバーが成すべきこと
F1新規定の2026年に向けた体制構築は各グループが進めているところ。2024年中に複数年契約を締結し、早くも新規定後の体制を盤石とするチームも散見される。 HRCの渡辺社長は角田について「2025年限りで(ホンダと)レッドブルとのパートナーシップが切れても、RBやレッドブルで戦ってもホンダとして問題はありません」とホンダとの関わりとは関係なく、地力でシートを得られるドライバーであってほしいと背中を押している。 もちろんホンダとの再会が先々実現するのなら理想的なストーリーとなるが、まずは6シーズン目(2026年)のシートをチーム問わず得ることが、2025年角田にとって最上のプライオリティとなる。 前年にはライバルチームが角田に関心を寄せていたように力を示すことでホンダの支え関係なく、再度目を引くことができるはず。また2026年はフェラーリPU搭載の見通しで不明瞭ながら、キャデラックという11チーム目の新たな選択肢も増えた。 これまでも角田は常に逆境との戦いだったが、5季目は2026年以降の未来を勝ち取るため、文字通り後がない背水の陣で戦うことになる。 ホンダの創業者、故・本田宗一郎氏が残した名語録の一つとして次の言葉が広く知られている。 「困らなきゃだめです。人間というのは困ることだ。絶体絶命のときに出る力が本当の力なんだ」 たとえ困難にぶつかった状況でも最良の結果を示し続けたら、今回のレッドブル人事が妥当ではなかったと改めて強調されることになる。それが角田にとって恩義のあるホンダへ、そして日本のF1ファンに対する最高の恩返しとなるはずだ。
Masaki CHIBA