【プレビュー】残留と昇格をかけて。崖っぷちの栃木と目前の清水が火花を散らす| Jリーグ
【国内サッカー プレビュー】明治安田J2リーグは10月26日と27日に第36節を開催。カンセキスタジアムでは、栃木SCと清水エスパルスの試合が行われる。
J2残留への執念とJ1昇格への思いが交錯する大一番だ。18位の栃木SCと2位の清水エスパルスがカンセキスタジアムで顔を合わせる。残留のためには勝つしかない栃木と勝てば昇格が決まる清水の意地と意地がぶつかり合う。 残り3試合となったいま、栃木は崖っぷちに立たされている。ここ4試合を1勝3分けと負けなしで戦い抜いているが、残留圏の17位・大分トリニータとは5ポイント差。今節、自分たちが引き分け以下に終わり、大分が勝点3を積み上げれば、その瞬間にクラブ史上二度目のJ3降格が決まってしまう。 それでも裏を返せば、勝つしかない状況にある訳でやらなければならないことはシンプルで明確。J1昇格が目前に迫った清水もプレッシャーがかかっているのは間違いなく、アグレッシブなプレーを表現できれば十分に勝機はあるだろう。 何よりも、今季途中からチームを率いる小林伸二監督は、かつて清水で指揮を執っていた経験もあり、J1昇格に導いた実績もある。そんな“因縁”が渦巻く一戦を落としていいはずがない。相手の昇格を見届け、自分たちが降格の憂き目にあうシチュエーションは避けなければならない。 前体制で戦った前半戦での対戦は開始8分までに2失点を喫する最悪の立ち上がりが、結果に響いた。ホームでの今節は、まさにそこがポイント。逆に自分たちが襲いかかるくらいの積極性を見せられるかが、勝負のカギとなりそうだ。 清水からすれば、もうこれ以上の足踏みはしたくない状況だ。ホーム初黒星を喫してしまった前節・モンテディオ山形戦からの切り替えと修正が問われるゲームとなる。 他会場に関係なく、勝てば自分たちでJ1昇格を決められる状況にあるのだから、優位な立場にあることは揺るがない。最後の最後で自動昇格の権利を逃した昨季の二の舞を演じないためにも、今節でスパッと決めたいところである。 守護神の権田修一、司令塔の乾貴士、エースの北川航也と経験豊富な選手は多く、何よりも昨季の悔しさを知る選手がほとんど。アウェイの今節も遠く栃木の地に多くのオレンジのファン・サポーターが駆け付けてくれることだろう。2年越しの悲願へ、サッカー王国の意地とプライドを示す舞台は整っている。