あなたが大事にしている家族コミュニケーションは? DJ KOO「おべっかと思われてもいいからとにかく褒める」 #家族とわたし
脳動脈瘤の手術をきっかけに、嫌なことや不満を自分の中で消去するようになった
――KOOさんはご家族以外にも普段怒ることがないそうですが、そうなったきっかけはあったのでしょうか。 DJ KOO: 2017年9月13日に脳動脈瘤の手術をしたんです。「命の保証はないですよ」と言われた手術を経験したことで考え方が全く変わったし、「家族の愛情ってこんなに深いのか」と改めて感じた日でもありました。毎年この日が来ると、家族で「またこの時期が来たね」「あの時は大変だったね」と思い出します。僕にとっては、自分が生まれ変わった日でもあり、「家族3人でご飯を食べるだけでも嬉しいね」ということを思い返す日でもあるんです。 そういう気持ちがあるので、嫌なことがあった時は、気持ちの中の消去ボタンを押すようになりました。せっかくいただいた命なんだから、「嫌だな、面白くねえな」と思うよりも、仕事に役立つことに取り組んだり、もっと有効なことに時間を使えるように気持ちを切り替えています。 ――不満を解消するために、どんな工夫をしているのでしょうか。 DJ KOO: 嫌なことがあった時は、わざと「はぁーーー」と大きなため息をつくようにしています。不満を溜め込んでいると辛くなってしまうので、1回声を出すことで自分を楽にさせた方がいいと思っています。そして、苦笑いしながらでもいいから、「でも、やらなきゃしょうがねえな」と思い直します。そういう時は、すぐにやるべきことに取り掛からなくてもいいと思っているんです。まずはマイナスからゼロに戻して、そこからだんだんとやる気を上げていけばいいんじゃないかなと思います。 ――アンガーマネジメントがうまくいかず悩んでいる人には、どのようにアドバイスしますか? DJ KOO: これは僕の個人的な考え方なのですが、マイナスなことがあった時に怒ったり不満を言ったりするよりも、逆の発想で加点を付けていく考え方をするのはどうでしょうか。 例えば、ラーメン屋さんに入っておいしくなかった時、「なんだ、この店テーブルも汚いじゃないか」と他の欠点を見つけてしまうと、さらに嫌な気持ちになってしまいます。それよりも、「次はこの店を避ける、家族や友達は絶対に連れてこないというデータを得た」と加点するような発想をして気持ちを収める方が楽になれる。そしてその先はもう探らないのが、アンガーマネジメントなのかなと僕は思っています。 ----- DJ KOO 1961年、東京都生まれ。DJ、タレント。1993年、ダンス&ボーカルグループ「TRF」のDJ、リーダーとして「GOING 2 DANCE/OPEN YOUR MIND」でデビュー。1995年に発売したシングル「CRAZY GONNA CRAZY」は売上枚数150万枚以上を記録したほか、「Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~」は第37回日本レコード大賞を受賞。グループのCDセールスは2200万枚を超えている。2020年にはDJ活動40周年を迎えた。2021年、大阪芸術大学客員教授に就任。 文:都田ミツコ (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました) Yahoo!ニュース Voiceでは、あなたのコメントを募集しています。なおコメント投稿にあたってご自身の個人情報やそれに準ずる情報の記載をすることはお控えください。 「#家族とわたし」はYahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。ひとり暮らしの単身世帯が過去最多となり、生涯未婚率も上昇するなか、家族のかたちは多様化しています。また、介護や育児、親子関係など、現代の家族が直面する問題も多岐にわたります。旧来の家族観が変化するなか、「家族」とは何なのか、どうあるべきなのか。さまざまなエピソードや課題をもとに、ユーザーと考えます。