アンゴラ村長「『他人の体型について言う方がやばくない?』という風潮になればいいな」写真集の反響を受けて思うこと
今年5月に発売した写真集『151センチ、48キロ』が大きな反響を呼んだ、お笑いコンビ「にゃんこスター」のアンゴラ村長さん。「健康に過ごせる“標準体型”のままかわいい写真を撮ることができたら、体型について悩んでいる人の支えになれるんじゃないか」と考え、あえてダイエットなしで撮影に挑んだという。発売して半年が経った今、写真集への世の中の声を踏まえて、改めて体型や容姿に対してどのように考えているのか、話を聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
「痩せなくてもかわいく撮れる」標準体型の良さを押し出したかった
――アンゴラ村長さんは、今年デジタル写真集を発売されて話題になりました。『151センチ、48キロ』というタイトルにはどのような思いがあったのでしょうか。 アンゴラ村長: 想定していなかったお仕事でしたが、出版社の方から依頼をいただいてありがたくお受けしました。ただ、自分の写真集が大好きな坂道系アイドルの写真集とほぼ同じ値段で販売されると聞いて「これはまずいぞ」と思ったんです(笑)。アイドルの方はお仕事柄、痩せるとか体型をきれいに見せることについて普段から努力をされているけど、それをしていない私が写真集のために痩せたところで、ちょっと違うのかなと。だったら「芸人の私だからこそできる写真集にしよう」と考えたんですよね。 それと、今のような言葉がナイフになることが知れ渡った時代になっても、SNSなどで人の身長や体重について「ダサい」とか「モテない」と揶揄するような投稿を見かけます。みんな自分が持っているもので生きるしかないのに。それなら、もし私が健康に過ごせる標準体型のままかわいい写真を撮ることができたら、体型について悩んでいる人の支えになれるんじゃないかと思い、「標準体型の良さ」を押し出そうと決めたんです。SNSで議論される体型に対して普通の例として参入したかったんです。それでも私の中では盛れている、珠玉の100枚を集めました(笑)。 ――あえて写真集のために体型を変えることはせず、撮影に臨んだのですね。 アンゴラ村長: そうですね。とはいえ、体型についてのうしろめたさや、体型づくりをさぼっているという感覚はめちゃくちゃあったので、私が写真集を出してもみんなから嘲笑されるんじゃないかとも思っていました。撮影した写真も、自分のスマホの写真フォルダを見ているくらい自然体だったので「これ本当に売れるのかな?」という気持ちでした。だから、実際に写真集を販売したあとの反響の大きさにはびっくりしましたね。「こんなに標準体型を認めてくれる人がいるんだ!」って。 ――どんな反響が印象に残っていますか。 アンゴラ村長: もちろん男性が褒めてくれるのも嬉しいんですが、女性が「痩せなくてもかわいく撮れるんだ!」という感想をくれたことが一番嬉しかったですね。私自身に寄せられた標準体型へのウェルカムな反応を、体型で悩んでいる方に見ていただきたいです。 ただ、私が身長170cmの方の気持ちは代弁できないと思うので、私と同じような体型の方や、私の言葉が届く範囲の方に届いてくれたらいいなという気持ちです。そのうえで「標準体型も素敵じゃん!」ということを提示できたら、この写真集を出した意味があるのかなと思います。