出産後すぐに職場復帰できないなら辞めるしかない? 妊娠したら知っておきたい法律の話
妊娠中は、無理せずに
まずは、“妊娠した直後“のステージ。 妊娠中は、いつも以上にいろいろと気を配らなければいけないですよね。 会社に適切な配慮をしてもらうためにも、妊娠がわかったら、できるだけ早めに報告したいところです。事業主(会社)には、いろんな法的責任が認められていて、さまざまなサポートが期待できます。 たとえば、妊娠したら、お腹のなかの赤ちゃんや女性自身の健康のために、しっかりと保健指導や健康診査を受けることが大切ですよね。でも、働いていると、その時間を確保するのが難しいこともあります。 そこで事業主は、妊娠した従業員に対して、勤務時間内に、健康診査などのために必要な時間の確保をしなければならないことになっているんです(男女雇用機会均等法12条)。 それだけではありません。妊婦さんにとって、「交通機関の混雑による苦痛」は、つわりの悪化や流産・早産などにつながるおそれがあります。そこで、事業主は、申し出があった場合、その女性がラッシュ・アワーの混雑を避けて通勤することができるように、通勤緩和のための措置をとらなければいけません。 また、妊娠中は、いつもとは体調もずいぶん異なるものだと思います。体がむくむので、「勤務時間の短縮や作業の制限」が必要だったり、「休憩時間の延長、休憩回数の増加、休憩時間帯の変更」などが必要だったりするなら、会社は適切な措置をとらなければいけません(男女雇用機会均等法13条)。 さらに、毎日残業をしなければならなかったり、ずっと立ち仕事だったりすると、女性の体に大きな負担がかかってしまいます。 そこで、時間外や休日に働くことを免除してもらったり(労働基準法66条)、ほかの業務への転換を求めたりすることもできます(労働基準法65条)。 また、とても重いものを運ぶ仕事など、妊娠・出産に対し悪影響のある仕事には、女性を就業させてはならないとしています(労働基準法64条の3)。