連絡も返信も一切なし…そんな”自己チュー”ASD夫に、いちいちイライラせずに済む「伝え方の工夫」
自閉スペクトラム症(ASD)がある夫との長年にわたり共に暮らしてきた野波ツナさん(漫画家)は、生活のなかで、あるいは取材活動を通じて、個性的すぎる「あの人」と上手に付き合うための数多くの知恵を収集してきた。それらの知恵を集大成した著書『発達障害・グレーゾーンの あの人の行動が変わる言い方・接し方事典』から、最も基本的なスキルを紹介する。 【画像】死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由
提案したいのは「攻略法」
前回の記事では、発達障害っぽい特性が色濃く出ている「あの人」の感じ方・考え方の特徴を、私の体験を交えながら説明しました。その説明を終えたところで、いよいよここから、「どう接していけばいいか」について、具体的なアイデアをお伝えしようと思います。 2024年に出版した『発達障害・グレーゾーンのあの人の 行動が変わる言い方・接し方事典』から、これだけは外せないというものを選んで説明しますが、誤解しないでいただきたいのは、これは「あの人」を思いのままに動かす方法ではない、ということです。 大人であれ子どもであれ、他人を意のままに操るなんてことはできません。とはいえ、こちらが我慢して相手に合わせるのも不毛です。私が提案したいのは、「あの人」に納得してもらい、動いてもらうための攻略方法です。 最小限のエネルギーで、お互いにストレスなく共存していくためのテクニック、と言い換えてもいいと思います。だから、使うときは目の前の人に会わせてアレンジが必要です。私が紹介するもののなかには、アキラさんと共存するうえで役に立った方法がたくさんありますが、それが他の「あの人」に杓子定規にあてはまることは、きっとないでしょう。 ピッタリ当てはまるやり方は、手探りでさがすことになるかもしれません。でも、私が提案する方法は“いいやり方”を見つけるヒントになると思いますし、いろいろ知っておけば「この方法がダメなら、次はこれで」と試行錯誤しやすくなります。そんなふうに、バリエーションを蓄積する手段としていただければ幸いです。