2025年の値上げ、4月までに6千品目 24年比6割増ペース 春先まで値上げラッシュ続く
2025年の値上げ動向:4月までに6千品目、24年比6割増ペース 春先まで値上げラッシュ続く
2025年1月から4月までに値上げが決定している飲食料品は、パンのほかビールなど酒類・飲料、冷凍食品など6121品目が判明した。このうち、25年1月はパン類を中心に1380品目を数え、1月としては調査を開始した22年以降で最多となった。また、23年7~10月以来、約1年3カ月ぶりに4カ月連続で単月あたり1千品目を超えた。このほか、23年12月時点で判明した翌年(24年)の値上げ予定品目数が3891品目だったのに対し、25年の値上げ品目数は約6割の増加となり、25年春にかけて24年を上回る値上げラッシュが常態化する見通しとなる。 1回当たりの値上げ率平均は18%となり、2024年(17%)と同等か、もしくはさらに上回る水準で推移する見通しとなった。加工食品や菓子類、酒類・飲料を中心に、20%を超える大幅な価格引き上げを行う食品が多いことも、値上げ率が高止まりした要因となっている。
2025年1-4月間の値上げで最も多い食品分野は「加工食品」(2121品目)で、全体の約3割を占めた。弁当向け冷凍食品類のほか、チルド麺、缶詰製品など多岐にわたり、24年と同等のペースで推移している。次いで多いのが「酒類・飲料」(1834品目)で、缶ビールのほか缶チューハイなどRTD飲料、輸入ワイン・ウイスキーなど洋酒、レギュラーコーヒー製品などが中心となる。特にビール類では25年4月に大手4社で価格が引き上げられ、23年10月以来1年6カ月ぶりの値上げラッシュとなる。「パン」(1227品目)では、25年1月に1千品目超が価格引き上げの対象となり、23年7月以来1年6カ月ぶりの値上げラッシュとなる。 2025年の値上げは、24年のトレンドを引き継ぎ原材料などモノ由来の値上げが多くを占める一方で、物流費など「サービス」価格上昇の影響を受けた値上げで拡大傾向がみられる。25年の値上げ要因のうち、最も多いものは「原材料高」(93.2%)となり、3年連続で値上げ品目全体の9割を超えた。他方で、トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となった輸送コストの上昇分を価格に反映する「物流費」由来の値上げが78.4%、最低賃金の引き上げや定期昇給など賃上げによる影響を含む「人件費」由来の値上げが43.9%を占め、いずれも23年以降で最高値となった。