【日本の貯蓄事情のリアル】50歳代の平均貯蓄額はいくら?貯蓄格差が広がる要因を考える
貯蓄を増やすための2つの方法
ここまで、資産運用の効果や相続資金の平均額についてみてきました。 少子高齢化や物価高が進む日本で、これからどのように貯蓄を増やしていけばよいのでしょうか。ここからは貯蓄を増やすための方法を2点見ていきます。 ●貯蓄増の方法(1)若いうちに貯蓄習慣をつける 貯蓄を増やすためには若いうちからお金を貯める習慣を身に付けておくことがポイントです。 収入のうち一定の割合または金額を貯蓄に回すというルールを決めておくとよいかもしれませんね。 また、50歳代などリタイアまでの期間が短い場合には新NISAを活用して資産運用を行ってみるのもよいでしょう。 例えば50歳の人が65歳になるまでの15年間で運用をしていくとして、利回り5%の商品を毎月5万円積み立てていく場合、シミュレーション結果は以下のようになります。 シミュレーションの結果、900万円の元本に対して利益が436万円で合計1336万円となりました。 貯蓄だけではなく、資産運用も組み合わせることでより多くの資産の増加が見込めるかもしれませんね。 ●貯蓄増の方法(2)労働期間を延ばす 貯蓄を増やすための方法として、そもそもの収入を増やすために労働時間を延ばすという手段があります。 日本人の寿命は男女ともに伸びており、平均寿命は2019年時点で男性は81.41歳、女性は87.45歳となっています。 昨今では定年を迎えた後も再雇用で働く人が増えてきました。労働期間を延長させることで年金と給与の2つの収入源を得ることが可能です。 また、65歳を超えても収入がある場合には老齢年金の繰り下げ受給をすることで、その後の年金受給額を増やすこともできます。 繰下げ受給とは、原則65歳から受給開始となる老齢年金を「65歳で受け取らず」に、66歳以後75歳までの間に繰り下げて受給することを指します。 繰下げ受給を行うことで、受け取れる年金が増額し、増額された年金額は一生涯変わりません。 1ヶ月年金受給を繰下げるごとに「0.7%増額」され、75歳まで繰下げた場合は最大で「84%」も増額することが可能となるのです。 定年後も働く予定のある方は、年金の繰下げを検討してみてもよいでしょう。