日能研東海はなぜ愛知県の中学受験に強い? 情報量と面倒見のよさでリード
中学受験の最大手・日能研の東海法人である「日能研東海」。愛知県でも生徒数は最大級であり、2024年度は東海150名、南山女子部85名、滝251名と高い合格実績を誇る。日能研東海は首都圏の完成度の高いカリキュラムと、関西の面倒見のよさを兼ね備えている。日能研グループ全体の連携もあり、東海地区だけではなく、関東や関西の学校の情報も豊富に有している。 中学受験をしてよかったですか? 気になる子どもたちのホンネは?
対話式の授業で、考える力を養う
講師から生徒へ一方的に講義をする形式ではなく、対話式の授業を行う。小学3年生・4年生までの授業では、その日に学習する内容について、生徒たちに自由に発言させることが中心になる。算数も公式を暗記させるのではなく、なぜその公式になるのかを「どうしてそうなのかな?」と生徒に問い、考えさせたり、答えさせたりする。 予習は必要としないが、その内容をすでに知っている生徒もいるだろう。そういう場合、知っている生徒が他の生徒に説明し、それに対して講師や他の生徒が質問することもある。説明する生徒は自分の考えを整理して話す作業をし、それを皆で共有する。ノートに書き留めることは講師がまとめる。 5年生以降は例題を解いて、講師が解説する形式も増え、受験対策に力を入れていく。授業で学んだことは、補助プリントや家庭学習(宿題)用教材「栄冠への道」を使って帰宅後に復習するが、教室に居残って勉強する生徒もいる。
学習にのめり込める2種類のテキスト
授業用のテキスト「本科教室」と、家庭学習(宿題)用テキスト「栄冠への道」。「本科教室」には冒頭に「学びのひろば」と「学びのとびら」がある。これらにはその日に学習する内容のきっかけとして、視点を与える話が載っている。 例えば、割り算を学ぶ場合にはピザの絵が描かれ、「ピザを分けよう」という言葉が書かれ、割り算がどういうものかをイメージさせる。それからチョコレートを8個使って、8÷2の式を作るストーリーを考えさせる。余白が多く取ってあり、そこに生徒が自分で考えたことや、クラスメートと講師が話した面白い話を書き込んでいく。 「栄冠への道」は授業で学んだ内容に沿った復習ができるようになっており、理解が深められ、学習内容が身につくようなヒントや応用問題も掲載されている。生徒が興味を持って、楽しく学習ができる工夫が施されているテキストだ。 4年生から記述問題が増えるが、自分の考えを整理し、具体的に書いていく作業を通して思考力を高めるためである。テストでも記述問題が多いのが日能研の特徴だ。