日能研東海はなぜ愛知県の中学受験に強い? 情報量と面倒見のよさでリード
授業を担当するのはプロの専任講師
日能研の講師は気さくで穏やかなことで知られる。生徒とフラットな関係を築きながら、生徒のモチベーションを上げていく。理不尽に厳しいことがないためか、他の大手塾に比べて女子の割合も多い。 新人は入社後、1年程度の研修を受けてから教壇に立つ。研修では先輩講師の授業を見学したり、模擬授業を行ったりする。低学年を受け持つのは女性の講師が多い。科目ごとのミーティングもあり、講師同士で授業や教務のスキルを高め合っていく。 授業を担当するのは全員が専任講師で、大学生アルバイト講師は授業を行わない。大学生アルバイトは「ピアサポーター」という名称のスタッフとして、教室運営をサポートする。テストの監督や教室の机や椅子の消毒、生徒の誘導、家庭学習(宿題)のチェックなどを行う。日能研東海の卒業生の割合が増えており、生徒たちと年齢が近い「ピアサポーター」がサポートしていく。
全国最大級の模試結果・データを蓄積
5年生までは2週間に1度の「学習力育成テスト」があり、学んだ内容を振り返る。月に1度は「日能研全国公開模試」がある。最大手の日能研に通塾する大きなメリットの一つとして、最大規模の模試を常に受けることで、自分がどの位置にいるかを把握できることがある。 テストの答案はその場でスキャンするため、生徒は答案を持ち帰ることができる。DI(デジタルイメージ)採点システムでは記述問題を切り抜いて、1人の採点者がまとめて見るので採点基準にブレがなく、スピーディーに処理できる。テストの採点結果がすぐに出るのと同時に、設問ごとの正答率や志望校の合格率も表示される。 また、それらのテスト結果はすべて、会員制Web情報サービス「MY NICHINOKEN」に保管されている。結果、「どこの分野は安定して点数が取れて、どこの分野は苦手か」といった情報をいつでも分析ができる。また、記述問題の優秀な解答例も「MY NICHINOKEN」に公開され、生徒の間で共有される。 「データの日能研」といわれるが、情報の提供や共有のシステムも完成されている。 クラス分けは2カ月に1度。日能研東海では1学年2クラスの教室が多いが、規模が大きい教室だと4クラス編成もある。4クラスだとクラスが変わる頻度は少し増え、より近い学力の生徒同士で授業が受けられるが、クラスが頻繁に変わるのは落ち着かないという生徒もいるだろう。通塾の利便性や、クラス編成の適性で教室を選ぶのも一案だ。